【完工事例】[14.6.3]逗子市S様邸・雨漏り再現調査(担当:原田芳一)

物件データ

施工中リポート

2014年5月9日 事前調査

室内漏水状況

雨漏り診断士の資格所持者がお伺いし、建物の「事前調査」を行います。

お話をお伺いしましたとおり、窓アルミサッシと木枠とのすき間(写真で紙を挟んでいる箇所)から、漏水を確認いたしております。

 

被疑箇所選定の考え方

①水の動きの大部分は、重力に支配されているため、基本的に漏水箇所の上部に浸入箇所があると捉えます。
したがって、赤線の上部が被疑箇所となります。

②木造住宅の場合、経験則より、漏水箇所(及びその部材)の水平線から、45°立ち上げた線より内側の範囲に浸入箇所があると捉えます。

  

シャッターボックス開口部

シャッターボックスのスラット(シャッター自体)が出てくる開口部は、被疑箇所として考えられます。
この部位に対し、散水調査を行います。
(調査番号①)

シャッターボックス上部

シャッターボックス上部の外壁との境界は、被疑箇所として考えられます。
この部位に対し、散水調査を行います。
(調査番号②)

幕板水切り

幕板と水切りとのすき間や、水切りと外壁との境界は、被疑箇所として考えられます。
この部位に対し、散水調査を行います。
(調査番号③)

外壁

モルタル下地外壁は、完全に膜になってはおらず、「濾し布」のような状態なので、被疑箇所として考えられます。
この部位に対し、散水調査を行います。
(調査番号④)

 

バルコニー、及び排水口

バルコニーの特に排水口廻りは、被疑箇所として考えられます。
バルコニーに対し、満水調査(栓をして水を溜める調査)を行います。
(調査番号⑤)

 

バルコニー内壁

モルタル下地外壁は、完全に膜になってはおらず、「濾し布」のような状態なので、被疑箇所として考えられます。
この部位に対し、散水調査を行います。
(調査番号⑥)

 

バルコニー笠木、手すり

バルコニーの笠木や手すりの根元は、被疑箇所として考えられます。
この部位に対し、散水調査を行います。
(調査番号⑦)

 

2014年6月3日 散水調査

散水調査①

雨漏り診断士の資格所持者が、疑わしい箇所に水をかけて、漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。

6/3 08:41-10:11
シャッターボックス下端の開口部より、 散水しました。
漏水現象はありませんでした。

 

散水調査②

6/3 10:39-12:10
シャッターボックス上部より、 散水しました。
漏水現象はありませんでした。

 

散水調査②

 

散水調査③

6/3 12:40-14-10
幕板水切り上部およびバルコニー外壁表面より、 散水しました。
漏水現象はありませんでした。

 

散水調査③

 

散水調査④

14:39-16:12
幕板下部すき間(現場にて不具合箇所を発見し、計画を変更)より、 散水しました。
漏水現象はありませんでした。

2014年6月4日

散水調査⑤

6/4 08:35-10:40
バルコニー排水口より、 散水しました。

 

散水調査⑥

バルコニーに対し、満水調査(栓をして水を溜める調査)を行いました。

6/4 10:45-12:39
(11:39に満水完了)
漏水現象はありませんでした。

 

散水調査⑥

 

散水調査⑦

6/4 12:50-14:20
バルコニー笠木下部向かって左側より、散水しました。
漏水現象はありませんでした。

 

散水調査⑧

6/4 14:43-15:10
バルコニー笠木下部向かって右側より散水しました。
漏水現象が確認されました。

 

漏水現象①

漏水現象が確認された様子です。

 

2014年6月24日

散水調査⑨

6/24 09:40-10:30
バルコニー笠木上部より、散水しました。
漏水現象が確認されました。

 

散水調査⑨

漏水現象②

漏水現象が確認された様子です。

 

漏水現象②

漏水現象が確認された様子です。

 

検証①

手すりと柱の接合部は濡れていませんので、柱の内部には浸水していないと思われます。

 

検証②

手すり根元の内部は水分が溜まっていましたので、根元のキャップから浸水していると思われます。
ただし、バルコニーは笠木がなくても浸水しないようなつくりになっていなければならないので、笠木内部に不具合があることは間違いありません。

以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。