外壁塗装は必要ない!

なぜ塗装するのか

「なぜ、今回塗装工事をお考えになられたのですか?」

私(原田芳一)が見積などをご依頼された方とお話しする際に、まず質問する事柄です。

せっかくなので、ご覧いただいている皆さんも考えてみてください。

なんと答えられますか?

多くの答えは、このようなものです。

「10年経ったら塗装しなくちゃならないと思って。」
「近所のお宅もどんどん塗り替えているので。」

皆さんのお答えはいかがでしたか?

似たような回答を思い浮かべられたのではないでしょうか?

では、次の質問です。

「塗装工事を行わなければ、お宅はどうなってしまうと思われますか。」

この質問に対しては、こんな感じの答えが多いです。

「雨水がしみ込んでボロボロになってしまうのではないですか?」

ここで考えていただきたいのです。

「塗装工事」は本当に必要なのか

本当に、塗膜が傷んできた結果、外壁や屋根に水がしみ込んで、ふやけたり腐ったりするでしょうか?

そんなことはありえません!

それが本当にそうなるのなら、築造から何百年も経っているお寺や神社は存在しないことになります。

だって、そもそも、現在塗装工事で使われるような「ペンキ」(※石油から生成した塗料のこと)ができたのは、近代以降なのですから。

出展: 裏辺研究所

法隆寺の五重塔です。

世界最古の木造五重塔で、建立は7世紀末から8世紀初頭にかけてといわれています。

もちろん、当時から近代まで、石油からつくられた塗料、いわゆる「ペンキ」は存在していません。

そもそも、「国宝」ですから、そういった塗料ができてからも、文化的価値を毀損してしまうため、使用することはできません。

でも、1300年以上も、そこに現存しています。

このことが、事実であり、真実です。

我々業者側の人間を含め、多くの人が思っているような、

「塗らなければ朽ちてゆく」

という概念が間違っているのです。

たしかに、建物は、手を入れないと、やがて朽ちて自然に還ります。

でも、それは、外壁を塗らなかったからではありません。

建物が有していた「弱点」を「改善」してこなかったからです。

ここで、以下の2つの記事をお読みいただければ、より理解が深まると思います。

こちらの記事では、塗装したことによってかえって建物の劣化を促進させてしまった事例について述べています。

↓ ↓ ↓

こちらでは、建物を維持するための工事となるためには、おかしなところを見つけ出し、元にもどすのではなく、理に適った状態にに変えてあげることが必要であり、それはすなわち、 「塗り替え工事」ではなく、「改修工事」であるべきだと 述べています。

↓ ↓ ↓

弊社の矛盾

ここまで読み進めていただいた皆さんは、なんとなくモヤモヤされていると思います。

「そういうあなたの会社では、なんで塗装工事をしているの?」

もっともな意見です。

だれだってそう思いますよね(笑)

それでは、いったい私は、塗装工事とどのように向き合い、塗装工事のどこに意義を感じているのか。

そのことについてお伝えしたいと思います。

これまで申し上げた通り、塗膜が建物を保護するという効果は限定的なものです。

そればかりか、雨仕舞を考慮せずに塗ってしまうと、かえって建物の劣化を促進させてしまう危険性もはらんでいます。

※「雨仕舞」については、以下の記事をご参照ください。

また、こちらのサイトでは、雨仕舞についてわかりやすく解説しています。

↓ ↓ ↓

雨仕舞のリペイント湘南|雨漏りを必ず止めて修理する 藤沢市の屋根・外壁塗装店

たしかに塗ればキレイになります。

でも、自動車が買えるほどの金額をかけた対価が、美観を整えることだけであるのなら、得る成果物としては甚だ足りない気がします。

皆さんも、塗り替えを求める目的はそれではないはずです。

追加工事が多いのは

閑話休題。

さて、私が塗り替え前の調査にかけている時間は、平均して2時間半です。

周りの仲間からは長すぎると言われていますが、ビジネスにおける効率としてはその通りなのでしょう。

ただし、塗れば建物の機能が回復するわけではないのですから、直す・もたせるといった観点に立脚すれば、時間がかかろうとも、建物の弱点や不具合を見つけ出すことが求められるのです。

でも、そこまで時間をかけて調べても、そのときは不具合に気づかず、施工が始まってから明らかになることもあります。

弊社では、塗装工事全体のおよそ30%程度の割合で、予見できなかった不具合箇所に対する追加工事が発生しているのが現状です。

30%って、多いですよね。

実は、それが弊社の特徴です。

そのことこそが、「塗装工事」の真の意味につながってゆくのです。

工事によって不具合が明らかになる、ということ

私は見積前の調査平均して2.5時間も費やしているのですが、それでもすべての不具合は見つけられません。

逆に言えば、調査で見つからなかった不具合が、塗装工事を行うことで明らかになる、ということなのです。

このことこそが、塗装工事の「本質」です。

具体的には、『塗る』という行為に理由があるのです。

建物にくまなく触れる、という行為

現場作業における塗装工事の直接の目的は、塗料を塗って色を付けてゆくことですので、結果として、施工者は、余すところなく対象部位に触れてゆくことになります。

外壁などの塗装では、高圧洗浄の上、下塗り1回、上塗り2回の計3回塗りが、最も多く行われている工程です。

それにしたがって施工すれば、すき間なく、4回も、繰り返し、対象に触れることとなります。

これにより、周辺とは異なった部位、すなわち異常箇所が洗い出されます。


たとえば、補修の段階で小さなひび割れや欠けている箇所を見落としていたとします。

それらは塗膜では埋まりきらないため、塗装すれば目で見て明らかな状態になります。

こうして、ほぼ確実に見つけ出すことができるのです。

ローラーやハケで塗ってゆく意義

加えて、ローラーやハケを用いて塗装してゆきますが、これによる効果は絶大です。

塗っているときに、一部分だけかやわらかい感触を覚えたのなら、下地が腐食している、切断している、折れているなどといった状態である可能性があります。

塗装対象の一部に周囲と異なるニオイを感じるかもしれませんし、塗装作業中に周囲と違った音を感じるかもしれません。

このように、ローラーやハケを用いて塗装することにより、人間の五感をフルに活用して不具合をあぶり出すことができるのです。

私は、吹付でなく、ローラーやハケを用いた工法の最大のメリットは、このことにあると思っています。

塗装工事は『人間ドック』であるべき

私が考える、塗装工事の必要性を、あえて例えるなら、それは『人間ドック』のようなものです。


職人が、ローラーやハケを用いて、工程にしたがい塗装することにより、五感をフル活用して、何度も何度も繰り返して、対象を検査することに、おのずとなっているのです。

建物を永らく使用する以上、定期的な検査が必要である。

このことに対し、疑問を持つ方はいないはずです。

ただし、現在多くの調査会社や建築士が行っているような

「建物調査」

ではあまり意味がありません。

目的が調査であるなら、費やす日数はせいぜい半日や1日です。

しかも、塗装という行為は含まれていません。

結果として、外壁や屋根など(総じて「外皮」といいます)の全体面積からすれば、触る箇所より触らない箇所のほうが圧倒的です。

それでは、『人間ドック』と呼べるような、緻密な調査にはなりえません。

『塗装』という手段を通じてでしか、建物にくまなく触れるということを実現しえないのです。

したがって、外皮に対し、完全なる調査を行うためには、塗装という手段が必須なのです。

言うなれば、それは『人間ドック』です。

でも、ただ塗装しても「人間ドック」のような調査にはなりません。

なぜ、一般的な塗装工事ではダメなのか?

塗装する目的

一般的に使われる「塗り替え工事」、その究極の目的は、人が『人間ドック』にかかるように、建物をすみずみまで調べることだと申し上げました。

塗ればいいんだったら、だれが塗り替えたって建物を調べることになるのではないか?

そう思われる方もいらっしゃるでしょう。

でも、実際、そういうものではありません。

人材によって、成果は天地ほどに異なってきます。

なぜなら、塗装する前提としての

「目的」

が異なるからです。

皆さんは、私の記事を読む前は、塗り替え工事について、こんな風に思っていませんでしたか?

『塗膜が荒れてくるとそこから雨水を吸い込んでしまい、ふくれたり腐ったりするから、定期的に塗り替えなければならない。』

↑それって現実に起こると思います?

外壁ってモルタルやパネルでできていますよね。

屋根には瓦や金属が葺かれていますよね。

主に雨を防ぐために作られた外壁材や瓦材が、塗膜が荒れたからといって、本当に雨水を吸い込んでしまうでしょうか?

スポンジや紙でできているわけではないのですよ!

普段の生活レベルに落とし込んだら、わかるはずです。

ピンときていない方がいるとしたら、

「専門的な知識がない自分にはそもそも理解できない」

と決めつけないで、何度もイメージしてみてください。

再度申し上げます。

塗装することによって建物の維持延命を図る直接的な意義はありません。

だから、すみずみまで調べる『人間ドック』的な発想がないと、塗り替えなど、意味のない工事になってしまうのです。

大半の職人とは「前提が異なる」ということ

さて、これまで皆さんが思われてきた、

理屈はわからないけど、塗ってキレイになったら建物の耐久性が回復される

というイメージですが、実はこれ、皆さんのような塗り替えを検討されている方々だけが持っているわけではないんです。

我々の側、すなわち、外装リフォームに携わる人間、たとえば塗装職人・屋根職人・板金職人などの大多数、そして、設計に携わる人間の大半も、このような感覚を持っているのです。

はたして、そういった感覚の人間が施工をした場合、建物の不具合を見つけられると思いますか?

ここまで書けば、皆さん察しがつくと思いますが、例えば塗装職人を例に挙げると、塗ることで機能回復が図れると思っている職人は、

「塗る」という行為

が目的になってしまうため、 明らかにおかしなところ以外の、細かな不具合は、見逃してしまうでしょう。

片や、塗装の意義を、くまなく検査することだと、日々私から聞かされている職人は、「塗装」という手段によって、

「調査する」

という目的を持っているため、不具合箇所を見つけ出す感度は、圧倒的に高くなるのです。

現在、弊社の施工で追加工事の比率が30%ほどになったのは、このような

目的の転換

を徹底させたからです。

限られた職人にしかできない

さて、こういった考えに立脚している現場スタッフは、当然ですが、多くはおりません。

人員を増やしたからといって、私の独特な考えを植え付けさせるのには、それ相応の時間がかかるからです。

ですから、必然的に、契約から着工まで、お時間をいただくことになってしまいます。

そのことを踏まえ、塗装リフォーム工事をお考えの皆さんは、どうぞ、時間にゆとりを持った計画を立ててください。

時間に余裕を持たせることが、工事がうまくゆく重要なポイントとなるのです。