施工後の定期点検について

結論から申し上げます。

施工後にお客様のお宅を定期的に点検している塗装業者・リフォーム業者は多いですが、建物の維持延命にはまったく役に立ちません!

弊社の実施方法

『弊社では、外壁・屋根を塗装されたお客様に対し施工後点検を実施させていただいております。

点検時期は、1年、3年、5年、7年、10年を考えております。

※例年12月から1月を点検時期にあてております。

※1年点検につきましては、10月までに完了した物件に対しては、直近の12月、1月に点検を行います。11月、12月に完了した物件に対しては、翌年12月、ないしは翌々年1月に点検を行います。

建物の状況を精査するには、2時間程度の調査が必要ですが、現在、対象となる物件が数百件に上っており、点検にそこまでの時間を割くことができないのが率直なところです。

したがって、外周を回っての確認に限定いたしております。』

…弊社の案内から、そのまま抜粋しました。

一般的な「点検」は何の役にも立たない

さて、これからが本題です。

上に書かせていただいたようなやり方は、弊社のみならず、他の塗装会社でも行っていることです。

でも、本質的な意味合いからすると、そのような、我々の業界で一般的に行っている定期点検では、建物の不具合をくまなく見つけることは不可能です。

なぜなら…

その理由は、すでに前段に書かれています。

『 建物の状況を精査するには、2時間程度の調査が必要ですが、現在、対象となる物件が数百件に上っており、点検にそこまでの時間を割くことができないのが率直なところです。 したがって、外周を回っての確認に限定いたしております。 』

調査で不良箇所を見つけようと思ったら、それ相応の時間がかかるります。

でも、無料の点検に何時間もかけていられません。

ですから、弊社を含め、塗装会社が通常行っているようなやり方では、ほとんど何の役にも立たないのです。

人間の身体に例えるなら

どのくらい役に立たないのか、例を挙げて説明しようと思います。

皆さんが病院に行くときって、どんなときですか?

身体の具合の悪いときですよね。

では、具合が悪いと判断するのは誰ですか?

それは、皆さんご自身であるはずです。

お医者さんの前で裸になって、

「どこが悪いか当ててみろ!」

などと言う患者はいないですよね(笑)

お医者さんだって困ってしまいます。

問診を行い、症状を聞かなければ、治療ができません。

実は、弊社も含め、一般的に行っているアフター点検なんて、そんなもんです。ただ壁と屋根をサラっと見て、何かがわかるはずはないのです。

それでは、どのようにすればよいのでしょうか?

施工業者が行う定期点検では不具合を見つけられない!

施工業者が行う定期点検など、お手盛りになるに決まっています!

好き好んで自分から不良箇所を伝えるなど、人間の心理として行えるはずがないのです。

「外壁塗装 定期点検」などといったワードで検索してみてください。

「こんな不具合がありました。反省して勉強し直します。」

みたいな記事には、まず巡り合うことはありません。

定期点検の内容についての紹介か、

「まだこんなにキレイです」

などといった、自社の施工のアピールのどちらかです。

ここで、皆さん、よく考えてください。

定期点検で不具合が何も見つからないのは、はたして良いことなのでしょうか?

私なら、このように思考を巡らせます。

・念入りに点検していないから不具合が見つからないだけなのでは?

・そもそも、不具合を伝えるという行為自体、自首するようなものなので、見つかっても隠すのでは?

そして、これが最も重要なポイントです。

・施工した後の不具合がひとつも見つからなければ、これ以上知識・技術が向上しないではないか?

知識や技術は、反省をもとに向上してゆくものです。

不具合を明らかにしない、または不具合に気づかないのは、知識や技術の向上を放棄しているのといっしょです。

※ちなみに、弊社では、今までも施工後に確認した不具合について、可能な限りウェブサイトから発信するように心がけています。それは、そうすることにより、新しい発見やより深まった知見などを、社内だけではなく、閲覧していただいているお客様と共有したいとの思いからです。

お医者さんが問診をするワケ

前回の話に戻ります。

医師が患者を診るときに、必ず問診をするとお伝えしました。

その際、

「痛いのはどのへんですか」

とか、

「どんな感じで痛みますか」

とか、

「いつから痛くなりましたか」

などといった質問をすると思います。

このことがたいへん大事です。

…と言われても、何のことかわかりませんよね(笑)

私が言いたかったのは、

「聞かなければわからない」

ということなのです。

私は、数々の建物の不具合を見て直してきたことから、建物に関する知識、建物の不具合の原因や対応についての知見は、一般の方よりも持っているでしょう。

でも、そんな私でもわからないことがいくつかあります。

まずは、

「どこに不具合が発生しているのか」

これは、たとえば住宅であれば、調査によって発見し、住まい手の方にお伝えすることもありますが、ヒアリングの際に住まい手の方から教えてもらうこともあります。

特に、雨漏りに関しては、そのほとんどが、依頼者から教えてもらわなければわかりません。

そして、

「不具合はいつから発生しているのか、また、その不具合は進行しているのか」

これに関しては、当たり前ですが、ヒアリングすることなく私が把握できることはまずありません。

不具合に対して、時間の経過によってどのように変化してゆくのかという視点でとらえることは、非常に重要です。

たとえば、軒裏にシミがあったとします。

この記事をお読みになられている方なら説明はいらないとは思いますが、「軒裏」とは、屋根の裏面にあたる天井部です。

赤丸で囲った箇所にシミがあります。

さて、このシミはどういった経緯で発生したのでしょうか?

また、その原因は何なのでしょうか?

シミの色や形である程度判別がつくこともありますが、多くの場合、一見しただけでは情報が少なく、原因や発生のメカニズムに関し、精度の高い推論を立てることは難しいです。

そこで必要になってくるのが、「経時変化」をとらえることです。

建物の不具合は経時変化でとらえるべき

たとえば、

①このシミはいつ頃から発生したのか?

②その後、時が経つにつれてシミは大きくなっているのか?または変化していないのか?

③天気によってシミの大きさは変化するのか?

といったことなどです。

①によって、下地の木材が腐朽しているか否かについて、おおよその推測ができます。

なぜなら、木材が湿り始めてから4か月以上経過しないと*、木材は腐り始めないのです。
*木材が腐朽し始めるには、木材の含水率が繊維飽和点(約28%)以上で、かつ腐朽菌が生息するに足る酸素、および適温(5~40℃)の状態が16週間以上維持されるのが条件であることが、実験により明らかになっています。

ですから、つい最近シミができたとすれば、下地木材まで腐朽している可能性は低いのではないかと推測されるのです。

②については、もしシミの様子に変化がなければ、そのシミは何かの拍子についたものであって、不具合ではないということが推測されます。

③については、もし一定の気象条件、たとえば南からの吹き降りの雨のときにだけ発生するとすれば、そのシミの原因は湿気によるものでも設備の漏水によるものでもなく、雨漏り、または雨に起因する現象であることが推測されます。

このように、その不具合を経時変化で捉えておかなければ、原因を解明することが極めて難しくなってしまいます。

それでは、その経時変化は、誰がわかっているでしょうか?

そうです、住まい手である皆さんなのです!

「お医者さんに診てもらう」という意識

業者が行うアフター点検など、お手盛りの調査になってしまうので、役に立ちません。

サザエさんの登場人物に「三河屋さんの三平さん」という、酒屋さんの御用聞きがいましたが、三平さんと同じです。

既存客をフォローしながらも新規注文をとっているわけです。

では、どうやったらお住まいの状況を的確に把握できるかといえば、住まい手の方が経時変化をとらえることだと申し上げました。

この話をすると、多くの皆さんがこうやって反論します。

「そんなこと言ったって、プロじゃないからわからないよ。」

そう思った皆さんは、今まで私がお伝えしたことに対し、大いに勘違いをなさっています。

不具合があるとか、悪くなっているとかを判断するのは、皆さんではありません!

あなたが身体に不調をきたしていて、お医者さんに行ったとします。

あなたは、その症状を医師に訴えます。

ただし、その症状が病気であるか否かを判断するのは、あなたではなく医師です。

病名を定め、それに対し治療を行ってゆくのは、医師の役割なのです。

その診断に納得がゆかなければ、違うクリニックに行ってみるなどの対応はできるでしょうが、 あなたに行えることはそこまでです。

患者は、症状を伝えるところまでしかできないのです。

住まい手と専門家の役割の違い

翻って、お住まいに視点を移してみましょう。

意味のある点検を合理的に行うための唯一の方法をお伝えします。

「経時変化」

をとらえることができる

「住まい手」

の皆さんが、お住まいに対し、様子が変わったと感じられたときに、劣化とか不具合などの判断を

「せず」

に、しかるべき専門家に相談すること。

この方法しかありません。

ちなみに、弊社の案内には、このように書かれています。

『本質的な意味合いからすると、我々の業界で一般的に行っている定期点検では、建物の不具合をくまなく見つけることは不可能です。そこで、当店では、お客様からのご指摘事項やご依頼を受け、都度予定を立ててご訪問させていただく形式をメインに考えております。ですから、何かお気づきの点がございましたら、いつでも遠慮なくお申し付けください。』

追記:どこに頼めばよいのか?

正直、ここが大問題ですよね。

もちろん、「弊社に声をかけてください」という気持ちは大いにあるのですが(笑)、皆さんのために、自分の立場を忘れ、できる限り客観的にお答えします。

結論から申し上げれば、「雨仕舞」を理解している業者、というか人間に依頼するしかありません。

では、それは誰なのかと言われると、難しいです。

建築士

まずは取得資格から判断できるかについて。

建築系の資格でまず思い浮かぶのが「建築士」だと思います。

でも、建築士は雨仕舞に詳しいとは言い切れません。

建築士の試験では、外部からの雨水浸入を抑止する方法などは試験科目にないのです。

ですから、建築士の試験に合格しても、雨仕舞の知識が備わっている証拠にはなりません。

私は、雨仕舞について建築士から質問されることもありますが、それはそんな理由からです。

ですから、建築士であるということだけで、雨仕舞を理解しているとは言い難いのです。

大工

次に、大工さんはどうか。

家を建てるという観点から申し上げると、今の大工さんは、構造と内装に携わることが多くなっています。

昔とは違って、今は分業化が進んでいます。

ですから、雨をよける工事は、その後の専門職工が担うことになります。

私は、雨仕舞について大工さんから質問されることもありますが、それはそんな理由からです。

だから、大工さんだからといって、雨仕舞に詳しいかといえば、そうとは言い切れません。

板金工

家を建てる上で、板金工が最も雨をよけることに携わっています。

ちなみに、今の板金工の一般的な持ち場は、こんな感じです。

●板金(金属の板を加工して取り付ける建築部材の全般)
●屋根※焼成瓦屋根や茅葺き屋根などを除く
●サイディング・破風・軒天(目地などのシーリングを含む)
●雨どい

雨から建物を防ぐこと全般にかかわっています。

もう、板金屋さんに頼めば間違いないですね!

…なかなかそうはいかないのが難しいところです(笑)

今は分業化が進んでいるとお伝えしましたが、その流れで、板金部材においても、工場で折られて製品化されているものがほとんどです。

現場で板を切って曲げて作ることはあまりなくなりました。

しかも、マニュアルが充実しており、書いてあるとおりに行えば、少しの知識がある職人であれば、間違いなく施工できるようになりました。※そのこと自体はたいへんよいことです。

ただし、それによって、

「この部材はなんのために必要なのか」

がわからない職人が増えてしまいました。

知らなくても、書いてあるとおりに作業すれば、ある程度の品質は担保されてしまうからです。

でも、そのことによって、不具合を抱えた物件に対して、どこが間違っているかを判断することができない職人が多くなっています。

弊社では、板金屋さんから雨漏り調査を依頼されることもあるのですが、それはそんな理由からです。

だから、板金屋さんだからといって、雨仕舞に詳しいかといえば、そうとは言い切れません。

防水工

それでは、防水屋さんはどうでしょう?

木造の建物で、防水屋さんが行うのは、大工さんが形をつくったバルコニーくらいです。

ですから、雨仕舞の知識があろうがなかろうが、マニュアルを守ってさえいれば、きちんとした品質の工事はできてしまいます。

弊社では、防水屋さんから雨漏り調査を依頼されることもあるのですが、それはそんな理由からです。

だから、防水屋さんだからといって、雨仕舞に詳しいかといえば、そうとは言い切れません。

塗装工

では、弊社の業種である、塗装工はどうでしょう。

実は、今や、家を建てる上で、塗装職人が携わることはほとんどありません。

軒天(屋根の軒の裏側にあたる天井部分)材は、慣習によるのかわかりませんが、いまだに無塗装品が出荷されることが多いので、それを塗装することくらいです。

私のブログを読んでくださっている方ならよくお分かりかと思いますが、塗装したから外壁がふくれたり、下地が腐ったり、雨漏りしたケースがたくさんあるのです。

それは、塗装職人が水の流れをまったく把握せずに塗装し、塗膜によって雨水が排出されなくなったり、毛細管現象を発生させたりしたからです。

弊社では、塗装屋さんから雨漏りに関する相談を依頼されることもありますが、といいますか、建築に携わっている人の中で、最も多く相談されるのが塗装職人からなのですが、それはそんな理由です。

だから、塗装屋さんだからといって、雨仕舞に詳しいかといえば、そうとは言い切れません。

誰に頼めば…

さて、元に戻ってしまいました(笑)

繰り返しになりますが、「雨仕舞」を理解している業者、というか人間に依頼するしかありません。

それを見分ける方法としては、これしかないでしょう。

「雨仕舞についてきちんと説明している業者であるかどうか」

いろいろな業者のサイトを見てください。

雨仕舞について記載があるでしょうか?

もしあったとして、書いてある内容は本当に「雨仕舞」であるといえるでしょうか?

雨仕舞とは、こういったことであるはずです。

↓ ↓ ↓

雨仕舞のリペイント湘南|雨漏りを必ず止めて修理する 藤沢市の屋根・外壁塗装店

雨仕舞について詳しい知識がなければ、サイトを見ても判断がつかないということはありません。

ざっくりとした内容がつかめていればOKです。

皆さんにやっていただきたいことは、ただひとつ。

そのサイトの雨仕舞に関する記事に対して、整合性があり、矛盾なく、つじつまがあっているか?

ようするに、文章として成立しているかを読み解いてもらえればよいのです。

もし、そうやって探しても、近くにこれといった業者がいなかったら…

そのときは、弊社にお問い合わせください。

地域が離れていてもかまいません。

ご相談をいただくことによって、何かお役に立てることが見つかるはずですから。