【自宅にいることが多くなった皆さんへ】おうちのチェックをしませんか!『3つのポイント』-その2

原田芳一です。

前回の投稿の続きです。

前回の記事はこちら

前回は、チョーキングや藻カビ・コケの発生、ひび割れ、シーリングの劣化などは、言われているほど気にしなくていいですよ、というお話をしました。

もちろん、そんな状況になっていないほうがよりよいのですが、これらの現象は、建物の構造を侵す直接の原因とはなりづらいのです。と申しますか、直接の原因は、たいてい外観ではわからないところにあります。

ですから、私が調査するときのポイントのひとつとして、原因を探すのではなく、結果としての現象を見つけ出すことを意識しています。

●軒裏・上げ裏(天井)

こちらのお宅では、軒裏にこのようなシミがありました。

ちょっとあやしいと思って、屋根に上ってみると…

瓦の葺き方が悪く、このようにすき間が開いていました。

こちらの事例のように、いきなり原因を見つけようとしても、そうそうわかるものではありません。そこで、水は上から下に動くという原則にしたがい、軒裏や上げ裏(ベランダやバルコニーの床下、天井にあたる部分)を点検するのです。シミがあったりすれば、その上部に不具合があるかもしれません。

点検するのは、何もおうちの外に限ったことではありません。

こちらのお宅では、天井の壁紙がふくれたりはがれたりしていたので、天井を切ってみたところ…

断熱材が雨水でびしょびしょになっていました。雨漏りしていたのです。

ここから雨水が浸入していたのですが、見たところで、どこに異常があるかわからないですよね。

ですから、建物の調査においては、結果としての現象から原因を逆引きするほうが、比べものにならないくらい合理的なのです。

●幕板・モール

幕板やモールが弱点となるのは、外壁から外に出ており、雨水を受ける形状になっているからです。

幕板の下部がはがれていたので、水を受ける小口を見てみると…

このように、水を吸ってボソボソになっていました。

ポイント-2:雨水を受ける形状になっている箇所の裏側を観察すること

その3に続きます…

【自宅にいることが多くなった皆さんへ】梅雨の前におうちのチェックをしませんか!『3つのポイント』-その3