【建材の「肩書」に囚われないように】X(ツイッター)を更新しました
外装建材には、「防水性」「透湿性」「断熱性」「遮熱性」「通気性」などという機能性表示が、あたかも肩書のように記載されています。でも、例えば、「防水性」と「透湿性」「通気性」は、ベクトルの両端にあたる要素なので、両立しません。仮に100パーセントの防水性を発揮する建材であれば、透湿性や通気性はゼロのはずです。
たとえば透湿防水シートのメカニズムは、シートに空いた微小な穴より小さい粒子を持つ水蒸気はシートを通過し、穴より大きい雨水の粒子は弾かれるので、湿度は通すが水は通さないという仕組みです。ただし、その差ははわずかであり、シートのすべての面でその精度は出せないため、多少は水が通ってしまうのです。
反対に、透湿性や通気性は、何かの障害があれば100パーセントになりません。わかりやすい例を挙げれば、網戸のあるなしで風通しが異なるのは、誰もが感じていることでしょう。
ですから、我々実務者は、肩書に踊らされることなく、建材そのものの性質を理解し、建物に最も合理的な方法を模索することが必要なのです。