【完工事例】[20.9.28]横須賀市Y様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)

物件データ

施工中リポート

2020年9月22日~28日 散水調査

建物外観

雨漏り診断士の資格所持者が、
疑わしい箇所に水をかけて漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。

 

調査①

2階南面バルコニー床へ、2m散水しました。

2020/9/22 9:12~10:42
漏水再現しませんでした。

 

調査②

2階南面窓下外壁と袖壁との取り合い部へ、
シャワーヘッドにて散水しました。

2020/9/22 10:45~11:03
漏水再現(約18分)しました。

 

調査②

1階リビング南面窓上枠左側より浸出しました。

 

調査②

浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。

 

調査②

1階リビング南面窓の天井裏を、赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。

 

調査③

2階南面窓上部より、2m散水しました。

2020/9/22 11:35~11:40
漏水再現(約5分)しました。
※ただし、この時、調査②の部分に水が掛からないように養生を行っていましたが、調査②の部分に水が掛かっている可能性が考えられたため、
養生をやり直した後に、再調査をおこなうことにしました。

 

調査④

調査③と同じ場所より散水しました。
この時、調査②の部分に水が掛からないように、再度養生をやり直しました。

2020/9/22 12:20~14:00
漏水再現しませんでした。

 

調査⑤

確認のため、調査②を再度、散水しました。

2020/9/22 14:10~14:11
漏水再現(約1分)しました。

 

調査⑤

1階リビング南面窓上部天井裏を確認したところ、赤丸のボルトネジ部分から水が垂れているのを確認しました。

 

調査⑥

南面バルコニー右側下屋根へ、
2m散水しました。

2020/9/28 9:00~10:31
漏水再現しませんでした。

 

調査⑥

2階南面窓上部、軒裏と外壁との取り合い部より、2m散水しました。
※この時、調査②部分には水が掛からないように養生を行っています。

2020/9/28 10:45~12:15
漏水再現しませんでした。

以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。

 

総合所見

南面バルコニー床の袖壁側の外壁との接合部において、バルコニーを固定しているボルトやひび割れなどより浸入し、雨漏りが発生していると思われます。
当該雨漏りは、原因となる雨水浸入位置が1箇所であり、雨水浸出位置が複数箇所である「単一浸入雨漏り」です。
また、いずれの雨水浸入位置においても、内部防水シートなどの不具合により、2次防水を突破して浸入していることがうかがえます。

木造建築物において、最終的な止水は外壁内部の防水シート(アスファルトフェルト等)です。
モルタル下地はラスシート(角波亜鉛鉄板ラス)と呼ばれるものが使われおり、
アスファルトフェルト等の防水紙は使われていないため、ボルトネジや釘などにより鉄板を貫通してしまうと雨漏りが発生しやすくなります。
外装材(塗膜やモルタル・外装パネルなど)を1次防水と呼ぶのに対し、この防水は2次防水と呼ばれています。
したがって、根本的に理に適った状態とするためには、不具合が発生していると思われる部位の外壁をはがし、
2次防水を最適化する必要があります。

ありがとうございました。