【完工事例】[21.11.4]平塚市S様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)
物件データ
施工中リポート
散水調査
建物外観
雨漏り診断士の資格所持者が、
疑わしい箇所に水をかけて漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。
調査①
南面バルコニー腰壁、漏水箇所直上南西角付近の外壁タイル面へ散水しました。
2021/11/4 9:00~9:15
漏水再現(約15分) しました。
調査①
南面バルコニー天井内部、南西角付近より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が浸出箇所です。
調査①
南面バルコニー天井内部、南西角付近より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れいてる箇所です。
調査①
手で内部を触ると濡れていました。
調査②
南面バルコニー床南西角排水口へ、シャワーヘッドで散水しました。
2021/11/4 9:30~11:00
漏水再現しませんでした。
調査③
南面バルコニー腰壁、オーバーフロー管設置部分へシャワーヘッドにて散水しました。
2021/11/4 11:00~12:30
漏水再現しませんでした。
調査④
南面バルコニー笠木、浸出位置直上、笠木板金及び内部腰壁へ、約2m幅とシャワーヘッドにて散水しました。
2021/12/1 13:05~14:35
漏水再現しませんでした。
以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。
総合所見
雨水浸入位置および浸出位置について
バルコニー上げ裏への雨漏り具象は、南面2階バルコニー腰壁の南西外壁タイル面からの浸入と思われます。
雨漏りの原因について
本件雨漏りは、南面2階バルコニー腰壁における南西外壁タイル面からの浸入と思われます。
当該雨漏りは、原因となる雨水浸入位置が1箇所であり、雨水浸出位置が1箇所である「単一雨漏り」と考えられます。
バルコニー腰壁の外壁タイル面内部の防水シートなどの不具合により内部に雨水が浸入したと推測されます。
改修設計について
外壁が磁器タイル仕上げの場合、タイル目地やひび割れ箇所などから浸入した雨水は、その内側に施されている防水シート(アスファルトフェルト等)によって室内への浸入を防いでいます。
この防水シートに不具合が発生していれば、雨漏りに直結する可能性が極めて高くなります。
外装材(磁器タイルや下地モルタルなど)を1次防水と呼ぶのに対し、この防水は2次防水と呼ばれています。
したがって、雨漏りに対し、根本的に理に適った状態とするためには、不具合が発生していると思われる部位のタイルをはがし、2次防水を最適化する必要があります。
また、タイルをはがさずに雨漏りしないようにするためには、既存タイル外壁の上にサイディングなどの新規外壁を張り付ける方法や防水塗膜を塗布する方法があります。
ちなみに、できれば浸入した雨水を速やかに排出させる仕組みを構築することが望まれますが、防水塗膜をつける方法ではその仕組みを付与させることはできません。