【完工事例】[21.9.23]藤沢市K様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)
物件データ
施工中リポート
散水調査
建物外観
雨漏り診断士の資格所持者が、
疑わしい箇所に水をかけて漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。
調査①
西面屋上塔屋部分笠木下スパンドレル約2m幅で散水しました。
2021/9/23 9:14~10:44
漏水再現しませんでした。
調査②
西面屋上塔屋部分笠木と外壁との取り合いへ、
約2m幅で散水しました。
2021/9/23 10:47~11:07
漏水再現(約20分)しました。
調査②
西側ロフト天井裏、梁接合部より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査③
北面塔屋天窓笠木下より、外壁へ約2m幅で散水しました。
2021/9/23 13:07~13:10
漏水再現(約3分) しました。
調査③
西側ロフト天井裏、エアコン配管部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査③
西側ロフト天井裏、梁接合部より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査④
北面塔屋水洗ステンレス板上部より、散水しました。
2021/9/23 13:23~13:26
漏水再現(約3分) しました。
調査④
西側ロフト天井裏、エアコン配管部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査④
西側ロフト天井裏、給水管部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている部分です。
調査④
西側ロフト天井裏、梁接合部より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査④
西側ロフト塔屋吹き抜け部分内壁へ、浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査④
西側ロフト塔屋吹き抜け部分内壁へ、浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査⑤
北面塔屋水切り板金と外壁との取り合い部へ、
約2m幅で散水しました。
2021/9/23 14:00~14:09(中止)
※調査④で建物内部に浸入した水が残っている可能性があるため、後日、再調査を実施することにしました。
調査⑥
北面塔屋エアコン配管カバー取り付け箇所へ散水しました。
2021/9/23 14:39~15:23
漏水再現(約44分) しました。
調査⑥
西側ロフト天井裏、給水管部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている部分です。
調査⑦
2階リビング天窓南西角板金部分へ散水しました。
2021/10/19 15:34~17:04
漏水再現しませんでした。
調査⑧
北面塔屋水切り板金と外壁との取り合い部へ、約2m幅で散水しました。(調査⑤再調査)
2021/10/6 9:00~9:26
漏水再現(約26分) しました。
調査⑧
西側ロフト天井裏、梁接合部より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査⑨
南面2階リビング天窓、南側2枚板金部分へ、
約2m幅で散水しました。
2021/10/6 10:15~10:17
漏水再現(約2分) しました。
調査⑨
南面2階リビング天窓、南西角の梁より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が、濡れている箇所です。
調査⑩
南面2階リビング天窓、南東角板金部分へ、シャワーヘッドで散水しました。
2021/10/6 10:38~10:38
漏水再現(約0分) しました。
調査⑩
南面2階リビング天窓、南東角及び南西角の梁より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が浸出箇所です。
調査⑪
南面2階リビング天窓、南側天窓2枚の間、東側の板金部分へ、シャワーヘッドで散水しました。
2021/10/6 10:58~10:58
漏水再現(約0分) しました。
調査⑪
南面2階リビング天窓、南東角及び南西角梁、天窓部梁南側より、2本目南西梁部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が浸出箇所です。
調査⑫
南面2階リビング天窓、南側天窓2枚の間、西側の板金部分へ散水しました。
2021/10/6 11:09~11:46
漏水再現(約37分) しました。
調査⑫
南面2階リビング天窓、天窓部梁南側より2本目南西梁部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査⑫
南面2階リビング天窓、天窓部梁南側より2本目南西梁部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査⑬
南面2階リビング天窓、南側2枚ガラス面へ、
約2m幅で散水しました。
※なお、調査⑧~⑫において浸入が確認された板金継ぎ目部分は養生を行い、水の浸入を防いでいます。
2021/10/6 13:18~15:02
漏水再現しませんでした。
調査⑭
北面塔屋水切り板金と外壁との取り合い部へ、約2m幅で散水しました。
※屋上笠木板金部分へは水が掛からないように散水しました。
2021/10/6 15:13~15:40
漏水再現(約27分) しました。
調査⑭
西側ロフト天井裏、給水管部分より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている部分です。
調査⑮
北面塔屋外壁と屋上笠木板金部分の取り合い部へ、シャワーヘッドで散水しました。
2021/10/6 15:49~15:59
漏水再現(約10分) しました。
調査⑮
西側ロフト天井裏、梁接合部より浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査⑯
屋上塔屋天窓へ約2m幅で散水しました。
※塔屋外壁などへ水が掛からないように、養生を行っています。
2021/10/12 10:10~11:40
漏水再現しませんでした。
調査⑯
塔屋外壁などに水が掛からないように、養生を行っています。
以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。
総合所見
雨水浸入位置および浸出位置について
- 屋上塔屋西面外壁と屋上笠木との取り合いから浸入し、西側ロフト天井裏、梁との接合部などに浸出しています。
- 屋上塔屋北面外壁と水切り板金との取り合いから浸入し、西側ロフト天井裏、給水管部分などに浸出しています。
- 屋上塔屋北面の水栓廻りから浸入し、西側ロフト天井裏、給水管部分などに浸出しています。
- 屋上塔屋北面のエアコン配管カバーから浸入し、西側ロフト天井裏、エアコン配管カバーなどに浸出しています。
- 屋上リビング天窓の板金継ぎ目部分から浸入し、リビング天窓下梁などに浸出しています。
雨漏りの原因について
屋上塔屋外壁と屋上笠木板金の取り合いや水切り板金との取り合い、水栓との取り合い、エアコン配管カバーの取り合いから浸入し、雨漏りが発生していると思われます。
また、屋上リビング天窓の板金継ぎ目部分より浸入していると思われます。
この雨漏りは、原因となる雨水浸入位置が複数箇所であり、雨水浸出位置が複数箇所である「創発雨漏り」です。
木造建築物において、最終的な止水は外壁内部の防水シート(アスファルトフェルト等)です。
外装材(塗膜やモルタル・外装パネルなど)を1次防水と呼ぶのに対し、この防水は2次防水と呼ばれています。
創発雨漏りが起こる背景として、この2次防水面で最終的な止水を担っていることから、2次防水の設計や施工に根本的な不具合が発生していることが想起されます。
雨水はいたるところより2次防水面の表面に到達しますが、2次防水が機能していなければ、建物内部の雨水の伝わり方により、さまざまな箇所に浸出してしまうのです。
改修設計について
木造建築物において、根本的に理に適った状態とするためには、不具合が発生していると思われる部位の外壁をはがし、2次防水を最適化するか、あるいは、既存外壁の上に新たな外壁材を張り、既存外壁に物理的に水が当たらないような仕組みを作る必要があります。
また、屋上リビング天窓においては、シーリング材などで板金の継ぎ目部分を埋め、隙間を無くすことで雨水の浸入を防ぐことが可能であると思われますが、シーリング材はいずれ破断してしまうことは自明であり、時限的な対応策であるといえます。
一定期間(5年以上)雨漏りしないような状態にするには、天窓メーカーにてオーバーホールを実施するか、天窓を塞いでしまうか、などの方策を取らざるを得ません。