【内付けサッシを推奨しない理由】X(ツイッター)を更新しました
窯業系サイディング仕上げですが、サッシを内付けしています。他の窓は半外付けでしたので、意匠設計であることが伺えますが、施主の要望ではないそうです。 雨仕舞的な観点からは、サッシの内付けはおすすめできません。
一つめの理由は、サッシ面が外装面よりも内側に入ることにより、サッシ取り合いの外装材に雨水が滞留し、サイディングが膨潤する恐れがあるからです。添付画像のとおり、日本窯業系外装材協会では内付けサッシを推奨していません。
二つめの理由は、サッシフィンと二次防水層を同一面にできないからです。サッシを取り付ける前の開口部の画像を添付しましたが、内付けにすると、こんなに複雑な先張り防水シート納めになります。きちんと先張りすれば雨漏りを防ぐことが不可能ではないものの、シンプルなほうが事故になる確率が下がりますし、仕組みが崩壊するまでの期間も長くなることは言わずもがなです。
なお、赤矢印で示した箇所においては、現状サイディングが張られていますが、本来であれば金属製、または樹脂製の水切りを付けなければなりません。窯業系の建材を天面に設置すると、雨水が滞留してサイディングが膨潤してしまうからです。
サッシ内付け自体推奨されていませんが、ましてやサッシ水切りを付けずにサイディング表面が空を向いている部位が生じているのは、常識を外れた施工であると言わざるを得ません。