【アスファルトシングルと日本の気候風土】X(ツイッター)を更新しました

記事に挙げたアスファルトシングルですが、少し深堀りしてご紹介いたします。

アスファルトシングル屋根材は、ガラス基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けて仕上げた屋根材です。1900年代初頭にアメリカで開発されました(※所説あり)。

開発におけるメリットのひとつに、材料費と施工費が安価になるという点があります。焼成瓦に比べ材料が廉価であることと、ある程度曲げ加工ができるため、設計によっては板金と併用しなくても施工できることが、コストダウンができる理由です。

そのこともあって、現在、北米では80%以上のシェアを誇ると言われています。本年2月にバンクーバーに研修に赴いた際、移動中に車内から住宅を注視していましたが、屋根材に関しては、多くはアスファルトシングルで、焼成瓦葺きはたまに見かける程度でした。

そんなアスファルトシングルについて、あくまで私の個人的な意見として見解をお伝えします。

日本の木造建物の勾配屋根に供する屋根材として普及しているのは、

・焼成瓦
・化粧スレート瓦
・板金(金属屋根)
・アスファルトシングル

の主に4種ですが、このうち、屋根材同士を接着させるタイプはアスファルトシングルのみです。シングル材は釘打ちとセルフシーラント(接着テープ)やシングルセメント(≒接着剤)などでの接着を併用しています。接着させれば湿気が逃げづらくなることは想像に難くありません。また、浸入した雨水の排出を妨げてしまいます。

したがって、高温多湿多雨である日本の気候風土にはあまり適さないと考えます。さらに解釈を広げれば、工法や建材は、開発された地域の気象に最もフィットしていると考えるのが合理的です。だから、気候の異なる地域の実績は、有用な根拠にはなりえません。