【雨漏りを予防することはできない】X(ツイッター)を更新しました

> 自宅がスレート屋根で築26年なんですが、塗装や葺き替えが必要何でしょうか? 25年を過ぎると屋根材の下に敷いてあるルーフィングも傷んできて雨漏りするっても聞きましたが本当何でしょうか…?

ご質問ありがとうございます。

写真の物件は、築51年の住宅です。下地はバラ板です。その上の下葺き材は今では外壁用途であるアスファルトフェルト、そして2寸という緩勾配に化粧スレート瓦が葺かれています。

今は、

バラ板→野地合板(コンパネ)
アスファルトフェルト→(改質)アスファルトルーフィング
2寸→3.5寸以上

という規定になっていますから、仕様としてはほぼ全滅です。
にもかかわらず、築50年で初めて(ようやく)雨漏りが発生し、葺き替えを行いました。
これが事実です。

次に、下葺き材の耐久性についてです。

屋根下葺き材のトップシェアである田島ルーフィンング社の製品に関し、私が調べた限りではありますが、期待耐久年数が明記されているのは、ハイエンド商品である「マスタールーフィング」(60年)と、セカンドポジションに位置する「ニューライナールーフィング」(30年)だけでした。しかも、耐久年数の概念や根拠については、マスタールーフィングに「当社促進老化試験及び経年実棟調査による」との記載があるのみです。

加えて、直接田島社の方から聞いたのですが、「下葺き材において経年劣化にかかる製品保証はしていない」とのことです。理由は簡単で、必ず孔を開けられてしまうからということでした。確かに、いくら釘孔シーリング性が優れているといっても、現場でどんな孔を開けられてしまうか分かりませんから、保証などできません。

多くの木造建築物のように、1次防水と2次防水との2層になっている建物において、災害による実損がなければ、築後50年以上は雨漏りしないはずであると考えます。それ以前に雨漏りしたのであれば、それは設計ないしは施工不備か、その両方です。

また、2次防水で最終的な止水を担保している建物は、雨漏りを予防することは極めて困難です。なぜなら、不具合をきたしている箇所は直接見ることも触ることもできないからです。

さらに、化粧スレート瓦材メーカーであるKMEW社の見解として、化粧スレート瓦に塗装することでもたらされるのは、屋根としての美観の維持向上に限定しています。
https://www.kmew.co.jp/inquiry/
→「屋根材について」→「カラーベストは再塗装(リペイント)が必要?」

また、また、カバー工法では防水性能を改善できません。

https://tinyurl.com/25vqhevw

結論として、ご質問に対する私の答えは、

「必要である工事は何もない」

です。

最も有用であるのは、「予防」ではなく「早期発見」です。現在の医療のアプローチと類似しています。そのためには、住まい手である皆さまの「変化を感じる力」がたいへん重要なのです。