【雨漏りであるか否かを断定する方法】X(ツイッター)を更新しました

「内装材をはがしたらシミがあったので、雨漏りかどうか調査してほしい」といったご依頼を受けることがあります。
雨漏りであるか否かに関しては、断定することはできません。雨漏りと断定するには、降雨時に雨水の浸入があることを現認する他に証明する方法がありません。また、雨漏り調査とは、現認した雨漏りの原因を究明してゆくものです。


したがって、首記のご依頼に対して、調査すること自体はやぶさかではないのですが、その成果としては、雨漏りである可能性の高さについて言及できる程度になります。
では、そういったご依頼に対し、私は2つのご提案を行っています。
1つは、雨漏りとしての現象が確認されるまで経過観察を行っていただくものです。いうなれば、しばらく放っておくことになります。そこで皆さまがご心配されるのは、その間に腐朽が進行してしまうのではないかということでしょう。
そのことについては、実はご心配にはおよびません。なぜなら、腐朽菌が木材の耐力を滅失させるまでにセルロースを分解するのには、木が湿っている状態が18週間以上続くことが条件になるからです。このことは、複数の実験で証明されており、ネット上にもいくつかのペーパーが公開されています。したがって、その間に木材が乾いてしまえば腐朽することはありません。
翻って、雨漏りと思われる事象に関し、常に湿った状態にあるならば腐朽を考慮しなければなりませんが、そうでないのであれば経過観察を行うことができる余裕があると言えるでしょう。
もう1つは「外装インスペクション」を実施することです。
外装インスペクションに関しては、
こちらをご参照ください。
外装インスペクションは、貴邸の外皮(内壁から外壁までを指す)における、主に仕組みや納まりの不備を調べ、そのリスクを明らかにしてゆく調査手法です。首記の依頼内容であれば、バルコニー・屋根・外壁調査のみの40,000円(税込み)のコースが近いでしょう。