【屋根は見えないだけに…】X(ツイッター)を更新しました

棟の番線(針金)は、のし瓦(下部の板状の瓦)と丸瓦(上部の半月状の瓦)を緊結するために用いられるもので、のし瓦(通常1枚目と2枚目の間)を通して丸瓦の上部でテンションをかけて縛り上げます。

一見緊結されているように見えるステンレス番線(針金)ですが、、、

でも、動画の通り、この番線は引っ張ると抜けました。ということは、ただ差し込まれているだけです。

不思議なのは、丸瓦の上部で縛った形状になっていることです。

実はこちらのお宅では、以前「瓦がズレている」と言われ、ズレ直しと番線巻き直しを依頼したことがあるそうです。実際の工事は、のし瓦に番線を差し込んでシーリング処理し、シーリングの接着力でなんとなく抜けなくなった番線を丸瓦の上でゆるく縛った(きつく縛ると抜けてしまいます)のではないかと推察されます。

差し込んだだけで巻いてはいないため、これは契約違反です。しかも、縛ったように見せるための、偽装工作的な処理までしています。

これに近いやり方としては、番線を巻きつけた釘をのし瓦のすき間に打ち込んで簡易的に緊結する方法があります。これなら、きつく縛っても抜けることはありません。ただし、この方法も応急処置であり、瓦の下まで番線を回すことに及ばないのは想像に難くありません。