【散水調査で水をかける時間は?】X(ツイッター)を更新しました

↑こちらの続きです。
雨漏りのメカニズムを解明するにあたり、そのエビデンスを提供できる唯一の方法が雨漏り再現調査(散水調査)であることをお伝えいたしました。ただし、単に水をかければよいというものではありません。
皆さんは、雨が降り始めてから雨漏りするまで、どのくらいの時間がかかると思われますか?数分ということはなさそうですね。数十分から、長ければ数時間かかるイメージをお持ちであろうと思います。
このイメージは実勢に近いです。実際、雨漏り調査をご依頼いただいたお住まい手の方に質問すると、だいたい上の範囲に当てはまる答えが返ってきます。
では、雨漏り再現調査において、いったいどのくらいの時間、水をかければよいのでしょうか?
散水調査を行う業者の多くは、1箇所あたりの散水時間を設定していません。そして、30分程度かけて雨漏りが再現されなければ散水を止めているようです。率直に申し上げて、このような恣意的な調査では、有意なデータを取ることは不可能であると言わざるを得ません。
弊社は、特定非営利法人雨漏り診断士協会が提唱する、「木造:90分」「鉄骨造:90分」「鉄筋コンクリート造:120分」という基本散水時間に準拠して散水時間を設定しています。これらの時間は、雨漏り110番グループの協力を仰ぎ、多くの散水調査事例から導き出したものです。その根拠ですが、それぞれ99パーセント以上の雨漏りが基本散水時間内に再現されているというデータに基づいています。
したがって、疑わしい箇所が4箇所あれば、90分×4箇所で6時間かかることになります。それぞれの調査の間にはセッティングを変更するため、1日で行える箇所数は4箇所が限界です。ですから、多くの調査において、5箇所目からは別日に行うことになります。
「そんなに長く水をかけるんだ」と思われた方が多いのではないでしょうか。でも、よく考えてみてください。皆さんは、雨が降り始めてから雨漏りするまで、数十分から数時間かかるとイメージされていたんですよね。そのイメージ通りではないですか?
しかも、1パーセント弱は、90分以上、120分以上かけないと再現されない雨漏りであったりするのです。とはいえ、1箇所に2日も3日も水をかけ続けるわけにはゆかないので、事前にその点についてご依頼者とリスク認識を共有しておきます。