建物の維持延命・保全に関して「予防」はできない

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実際に頂きましたご相談に返信をいたしました。その一部をご紹介します。
結論として、私は、外装リフォームで「予防」はできないと考えています。

以下、返信内容です。

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○○ 様

リペイント湘南の原田と申します。
このたびは、お問い合わせを賜り、誠にありがとうございます。

まずこちらに目を通していただけますとたいへん幸甚です。
https://repaint.co.jp/specialist/unnecessary/

(中略)

○○様の目的が建物の維持延命に主眼を置かれているのであれば、まずお伝えしたいのは、建物の保全に関して「予防」ができないというのが、私の考え方であるということです。
ガンに対する医療アプローチに似ています。ガンにならないように体質改善を図ることはほぼ不可能なため、早期発見・早期治療が基本的な対策ですが、考え方は同じです。

次にお伝えしたいのは、木造の建築物は、外気に触れている建物最外部で止水をしてはいないということです。屋根や外壁は内部防水を保護するための「保護層」です。
したがって、○○様がお書きになられているような感覚で■■(施工会社名)様が施工されているとすれば、隣家の雨漏りは解決しない可能性があります。

さらに、▲▲(同業者)さんとは懇意にさせていただいておりますが、私と決定的に違うのは、屋根の二次防水層の劣化に関してです。▲▲さんは早期に経年劣化するという見地から、カバー工法を勧められるのですが、私は最も安価な下葺き材でも、4・50年は破綻しないと考えます

もし、それまでに雨漏りしたのであれば、それは下葺き材の寿命ということではなく、設計・施工・改修工事のどこかに瑕疵(認識の誤りやミス)があったからです。

しかも、カバー工法は、特に下屋の雨仕舞(雨水を管理して建物の劣化を防ぐ仕組みの総称)を変えてしまい、下屋の上の外壁防水層からの排水を妨げることになりますので、カバー工法はまったくおすすめできません。

したがって、極論、貴邸において平成29年になされた工事も必要性については疑問が残りますし、本件に関しては、「何もしない」のが最も合理的であるというのが私の見解です。
ただし、○○様のご質問に沿った回答となっているかは甚だ不明瞭であるため、その点につきましてはご容赦いただきたく存じます。

もし、それでもご心配があるのであれば、最もおすすめしたいのは、有料の外装・屋根インスペクション(現状診断)です。
https://repaint.co.jp/inspection_service/

年明け以降で問題ございませんので、具体的な判断をご希望でしたら、インスペクションをご検討ください。(ご相談のみでの結論提示は行っておりません)

ご検討のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

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