【「塗り替え工事」ではなく「改修工事」であるために】建物調査が最も重要です!(その1) ヒアリング~バルコニー(ベランダ)の調査

原田芳一です。

本日は2月10日ですが、ニュースやワイドショーなどでは新型コロナウィルスの話題で持ちきりです。何とか感染の拡大を防いで、無事に収束してくれることを願うばかりです。

それに関連してということでもないのですが、みなさんが発熱したとします。それで、お医者さんに行くことをイメージしてください。

まず、問診を受けますね。いつから熱が出たのか、のどに痛みはあるか、鼻のつまりはどうか、たんの量は多いか、など、先生から細かく質問されるでしょう。

次に、口を開けてのどの腫れを見たり、聴診器を当てたり、身体をたたいたりして検査しますよね。症状によっては、レントゲン写真を撮ったり、検査キットなどを用いて、インフルエンザなどの検査を行うこともあるかもしれません。ここまでの行為が「診察」です。

その上で、先生としての所見が伝えられます。これが「診断」です。そして、診断結果に沿って、治療計画として、薬の処方箋が渡されます。診断によっては、再検査や転院、入院措置が取られることがあるかもしれません。

さて、「治す」か「直す」かの違いがあるにせよ、あるべき状態にするという点では、身体も建物も同じです。それでは、建物をあるべき状態にする目的で行う工事においても、同じプロセスを踏む必要があると、私は考えます。

弊社では、塗り替え工事の見積を依頼された際、平均して2~3時間を建物調査に費やしています。その内容は、おおよそ以下の通りです。

1.ヒアリング

ヒアリングは、建物調査においてたいへん重要です。診断技術者がいくら知見を持っているといっても、建物の不具合は、普段建物に向き合っている方、例えば住宅であれば、住まい手のみなさまのほうが、よほどお気づきになられる可能性が高いのです。ですから、気になるところはないか、様子が変わってきたところはないか、などをご質問させていただきます。また、塗り替え工事を行おうと思われたきっかけをお伺いいたしております。これは、みなさまが塗り替えに対し、何を求めておられるのかを明らかにするために、大事な質問になります。

2.図面のコピー

ご用意いただいている建築図面を、近くのコンビニなどでコピーさせていただき、お返しいたします。実際の建物には、図面に載っていない部位が存在します。サイディングなどのパネル外壁におけるシーリング目地や、雨どいなどは、図面に記載されていないことのほうが多いのです。そこで、現場で図面に書き加えてゆくという作業が必要になります。この作業を行わなければ、正確性を欠いた数量の積算になってしまうのです。そのため、図面のコピーをお願いいたしております。

3.バルコニー(ベランダ)の調査

バルコニーの調査は、雨仕舞的に最も重要です。水平面は最も雨がかかるからです。調査に際しては、どうしても居室内を移動させていただく必要がありますから、住まい手のみなさまのご協力なしでは、調査が極めて不十分なものになってしまいます。

笠木の写真

バルコニーの弱点は、床の防水面より 、写真のような「笠木(手すり壁の上端に設置されたフタ状の金属部)」にあります。アルミ製の笠木は塗装しないので、塗り替え工事の調査ではこの部位にまったく触れないことが多いのですが、特に木造住宅などにおいては、最も問題をはらんでいる部位です。