外構工事にも雨仕舞が必要です
原田芳一です。
雨漏りかと思ったら…
「階段に雨水が流れているのを何とかできるか」
先日、こういったご依頼を受けました。
「階段から水が出ているのだから、雨水は外壁なのかな?屋根の可能性は低いかもしれないな。」
現地に赴くまでの道中で、そんなことを想像したりしていました。
さて、現地に着いて、依頼主に
「ここなんだけど」
と、問題の場所を指し示されたとき、先ほどの私の想像はもろくも崩れ去ったのでした。
…玄関アプローチの階段への「湧き水」でした。
私は雨漏りの専門家なので、、、
得意なんです!
水の流れを考えることは同じ
さて、去る3日に発生しました、熱海市の土石流で、多くの方々が被災されましたことに対し、心よりお見舞い申し上げます。
土石流の起点においては、谷を盛り土で埋め立てられていて、排水設備が設置されていなかった疑いがあるようです。
もしそうであれば、常に盛り土が雨水を受け、水圧がかかっていたということになります。
いつ土石流が発生してもおかしくない状況だったのかもしれません。
この階段においても同じです。
水が湧き出ているすき間を止水すれば、かえってこの場所にかかる水圧は大きくなります。
修理した場所が再び切れてしまうか、違う場所から水が湧き出てしまうかのどちらかになってしまうでしょう。
だから、やみくもにすき間を埋めることはできません。
そこで、圧力を抜く仕組みをつくることが必要になります。
雨漏りを解決するのに最も大切なのは、
「入口を止めるより、出口をつくる」
ことなのです。
これが「雨仕舞」の考え方です。
どのようなデザインで、雨水を受け流すか、それをイメージして、改修設計を立ててゆこうと思います。