【完工事例】[18.6.9]横浜市I様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)
物件データ
施工中リポート
2018年3月29日 事前調査
建物外観
雨漏り診断士の資格所持者がお伺いし、建物の「事前調査」を行います。
雨水浸出位置
雨水浸出位置は、1階和室縁側玄関向き窓上部のじゅらく壁に、シミがある箇所と承っております。
雨水浸出位置
雨水浸出位置上部をサーモグラフィーカメラで撮影しましたが、異常値は見られませんでした。
下地は乾いていると推測されます。
木材は、30%以上の水分率が16週間以上続くことによって腐朽することが分かっています。
したがって、下地が腐朽している可能性は低いと思われます。
雨水浸出位置
長押(なげし)の上端からシミ上端まで約30cmです。
雨水浸出位置
雨水浸出位置の外側では、鼻隠し板の下端までが約30cmでした。
したがって、鼻隠しより下方は雨水浸入位置ではないことが分かります。
調査箇所①
写真①の位置にひび割れが確認できます。
雨水浸入位置である可能性があります。
調査箇所①
写真①の位置にひび割れが確認できます。
雨水浸入位置である可能性があります。
調査箇所②
写真②の位置(瓦葺き屋根と銅葺き屋根との間)には雨仕舞としての納まりに不備がありますので、雨水浸入位置である可能性があります。
調査箇所②
写真②の位置(瓦葺き屋根と銅葺き屋根との間)には雨仕舞としての納まりに不備がありますので、雨水浸入位置である可能性があります。
調査箇所②
矢印の位置の納まりに問題があります。
調査箇所②
本来、このような「壁止まり役物」と呼ばれる板金材が入っていなければなりません。
調査箇所③
瓦葺き屋根は、雨水浸入位置として考えられます。
調査箇所③
矢印のどちらの面も、雨水浸入位置である可能性があります。
要改善箇所
瓦を1枚はがして内部防水を確認しました。
ハイトンと呼ばれる、釘穴シール性(釘で穴を開けても粘着して止水する性能)のない下葺き材(防水シート)が使われています。
長年使用されているようですので、小屋裏(天井裏)に雨水が浸入している可能性が高いです。
要改善箇所
雨とい(軒とい)に穴が開いています。
要改善箇所
雨とい(軒とい)に穴が開いています。
要改善箇所
雨とい(軒とい)に穴が開いています。3つともに、瓦づたいに降りてきた雨水を受ける箇所に穴が開いています。
一説には、銅は焼成瓦の釉薬に含まれる成分によって溶解し、穴が開いてしまうといわれています。
ステンレスなどでは、このような現象は起こりません。
2018年6月9日 散水調査
建物外観
雨漏り診断士の資格所持者が、疑わしい箇所に水をかけて、漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。
調査①
南面1階シャッターボックス右側上部より散水しました。
6/9 9:20~9:28
雨漏り再現(8分)しました。
調査①
調査①の雨漏り再現状況です。
右側入隅より浸出しました。
調査①
調査①の雨漏り再現状況の赤外線写真です。
(※青色の部分が浸出位置です)
調査②
東面銅板平葺き屋根と外壁との取り合い部より散水しました。
6/9 10:30~10:50
雨漏り再現(20分)しました。
調査②
調査②の雨漏り再現状況です。
窓まぐさ上部中央より浸出しました。
調査②
調査②の雨漏り再現状況の赤外線写真です。
(※青色の部分が浸出位置です)
調査③
1階瓦屋根より散水しました。
6/9 13:30~15:00
雨漏り再現しませんでした。
調査③
1階瓦屋根より散水しました。
6/9 13:30~15:00
雨漏り再現しませんでした。
以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。