【完工事例】[21.3.6]横須賀市H様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)

物件データ

施工中リポート

2021年3月6日 ~ 25日 散水調査

建物外観

雨漏り診断士の資格所持者が、
疑わしい箇所に水をかけて漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。

 

調査①

南面2階バルコニー床へ散水しました。

2021/3/18 8:50~10:20
漏水再現しませんでした。

 

調査②

南面2階バルコニー上げ下げ窓より下側外壁、
及び腰壁笠木より下側外壁へ散水しました。

2021/3/29 10:30~12:00
漏水再現しませんでした。

 

調査②

南面2階バルコニー上げ下げ窓より下側外壁、及び腰壁笠木より下側外壁へ散水しました。

2021/3/29 10:30~12:00
漏水再現しませんでした。

 

調査③

南面2階バルコニー西側アルミ笠木へ散水しました。
※この時、バルコニー腰壁の外側に水が流れないように、養生を行っています。

2021/3/18 13:10~14:40
漏水再現しませんでした。

 

調査④

2階バルコニー外側腰壁、じょうご廻りへ散水しました。

2021/3/18 14:41~16:11
漏水再現しませんでした。

 


調査⑤

南面2階バルコニー上げ下げ窓へ散水しました。

2021/3/19 8:45~10:15
漏水再現しませんでした。

 

調査⑥

南面2階バルコニー上部ガラリ窓下より約2m幅にて外壁へ散水しました。

2021/3/19 10:16~11:46
漏水再現しませんでした。

 

調査⑦

南面2階バルコニー上部軒裏と
外壁との取り合いより、約2m幅にて散水しました。

2021/3/19 13:10~14:17
漏水再現(約67分) しました。

 

調査⑦

赤外線で撮影しました。
青色に変色している箇所が、濡れているところです。

 

調査⑦

赤外線で反応のあった箇所に水分計で計測したところ、38.2%と高い値となりました。

 

調査⑦

少しずらした位置で計測したところ、1.2%と低い値となることから、先に計測した箇所が濡れていることが分かります。

 

調査⑧

南面2階バルコニー西側笠木と
外壁との取り合いへ、散水しました。

2021/3/19 14:30~15:56
漏水再現(約67分) しました。
※ただし、確証に乏しかったため、
後日、再度散水を行うことにしました。

 

調査⑧

赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査⑦の状態より広がっています。

 

調査⑨

南面2階バルコニー上部軒裏と
外壁との取り合いより、約2m幅にて散水しました。
※調査⑦と同じ場所より再度散水を行いました。
前回と異なる点は、バルコニー笠木に水が掛からないよう養生を行ったことです。

2021/3/25 9:03~9:39
漏水再現(約36分) しました。

 

調査⑨

バルコニー笠木に水が掛からないように、養生を行いました。

 

調査⑨

赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。

 

調査⑨

赤外線で反応のあった箇所を水分計で計測したところ、
46.1%となり、濡れていることがわかります。

 

調査⑨

水分計を少しずらした位置で計測し、
1.5%と低い値となり、先程の箇所が濡れていることがわかります。

 

調査⑩

南面2階バルコニー西側笠木と、外壁との取り合いへ、散水しました。

2021/3/25 10:00~12:00
漏水再現しませんでした。

 

調査⑪

南面2階バルコニー上部ガラリ窓へ散水しました。

2021/3/25 12:15~13:03
漏水再現(約48分) しました。

 

調査⑪

赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。
調査⑨において反応があった場所とは、異なる位置で確認されました。
したがって、雨水浸入位置は調査⑨とは異なると考えられます。

以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。

 

 

総合所見

南面バルコニー上部のガラリ窓廻りにおいて、外壁との取り合い部やひび割れなどより浸入し、雨漏りが発生していると思われます。
また、外壁仕上げ材で使用されているジョリパットはある程度水を含んでしまうため、表面に現れてないモルタルのひび割れなどより浸入していると思われます。
また、調査結果よりガラリ窓自体からも、浸入している可能性があります。
当該雨漏りは、原因となる雨水浸入位置が複数箇所であり、雨水浸出位置もまた複数箇所でした。
また、いずれの雨水浸入位置においても、内部防水シートなどの不具合により、2次防水を突破して浸入していることがうかがえます。

木造建築物において、最終的な止水は外壁内部の防水シート(アスファルトフェルト等)です。
外装材(塗膜やモルタル・外装パネルなど)を1次防水と呼ぶのに対し、この防水は2次防水と呼ばれています。
したがって、根本的に理に適った状態とするためには、不具合が発生していると思われる部位の外壁をはがし、2次防水を最適化する必要があります。

ありがとうございました。