【完工事例】[21.8.5]茅ヶ崎市I様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)

物件データ

施工中リポート

2021年8月5日 散水調査

建物外観

雨漏り診断士の資格所持者が、
疑わしい箇所に水をかけて漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。

 

調査①

南面2階バルコニー床、2階窓下端に水が当たるように約4m幅で散水しました。

2021/8/5 8:50~9:15
漏水再現(約25分) しました。

 

調査①

南面1階リビング天井、内側から見て中央から少し左側に浸出しました。
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が浸出箇所です。

 

調査①

赤外線で反応が出た箇所に、水分計で計測したところ、33.6%となり、濡れていることがわかります。

 

調査①

赤外線で反応の出てない箇所を水分計で計測したところ、3.3%でした。
このことから、赤外線で反応の出たところが濡れていることがわかります。

 

調査②

南面2階バルコニー戸袋左側、外壁及び水切りと戸袋との取り合い部へ、シャワーヘッドにて散水しました。

2021/8/5 9:30~10:28
漏水再現(約58分) しました。

 

調査②

南面1階リビング天井、内側から見て中央より少し右側へ浸出。(滴下現象がありました。)
浸出箇所を赤外線で撮影しました。青色の部分が濡れている箇所です。

 

調査③

南面2階バルコニー窓、戸袋内部へシャワーヘッドにて散水しました。

2021/8/5 10:50~10:50
漏水再現(約0分) しました。

 

調査③

南面1階リビング天井、内側から見て中央より少し右側へ浸出しました。
(滴下現象がありました。)
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。

 

調査④

南面2階バルコニーアルミ笠木及び腰壁、バルコニー床へ約4m幅で散水しました。

2021/8/5 12:50~14:20
漏水再現しませんでした。

 

調査⑤

南面2階バルコニー窓上部外壁、軒裏との取り合いより約4m幅で散水しました。
※この時、調査①~③における部位に水が掛からないように養生を行っています。

2021/8/5 14:45~14:50
漏水再現(約5分) しました。

 

調査⑤

これまでの調査部位に水がかからない措置を講じています。

 

調査⑤

南面1階リビング天井、内側から見て中央より少し右側より浸出しました。
(滴下現象がありました。)
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。

以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。

 

総合所見

雨水浸入位置および浸出位置について

  • 南面2階バルコニー床と2階掃き出し窓との取り合いからの浸入し、南面1階リビング天井の内側から見て中央より少し左側へ浸出しています。
  • 南面2階バルコニー窓の戸袋左側の外壁及び水切りと戸袋との取り合いから浸入し、南面1階リビング天井の内側から見て中央より少し右側へ浸出しています。
  • 南面2階バルコニー窓の戸袋内部、またはサッシ組付け箇所、ないしはその両方から浸入し、南面1階リビング天井の内側から見て中央より少し右側へ浸出しています。
    なお、戸袋内部とサッシの組付け部分においては、どちらか一方のみに水をかける方法が取れませんでしたので断定はできませんが、形状的に戸袋は雨水浸入位置である可能性が極めて高いと考えます。
  • 南面2階バルコニー窓上部の外壁から浸入し、南面1階リビング天井の内側から見て中央より少し右側へ浸出しています。

雨漏りの原因について

木造の建築物において、最終的に止水を担っているのは、外気に触れている表面ではなく、外壁モルタル下地などの内側にあるアスファルトフェルトなどの防水シートです。
外部と接している外壁表面などを「1次防水」と呼ぶのに対し、内部防水シートなどのことを「2次防水」と呼んでいます。
調査結果より、貴邸においては、雨漏りが再現された際の散水範囲における2次防水の不具合により雨漏りが発生していることは明らかです。
また、バルコニー床と掃き出し窓下端との取り合いにすき間があり、そこからも雨水が浸入していますが、こちらに関しては、本来すき間があっても雨漏りしないような仕組みになっていなければなりません。