外壁塗装・屋根塗装後の不具合、雨水でこんなに劣化!原因はほとんど水です。
建物の不具合のほとんどが水!と言っても過言ではないと思うほど、私が現場で目にした深刻な不具合は水が原因です。
深刻な不具合とは、そのまま放置すれば下地の木が腐ってしまうような不具合に発展する可能性のあるものです。
下地の木が腐ってしまうと外壁を剥がし下地の木材や柱を交換しなくてはならず、大掛かりな工事が必要となってしまいます。
出来ればそんな工事はしたくないですよね。
不具合を知れば予防や早期発見に繋がる可能性も!
今回は屋根に設置されたアンテナの支持具による不具合を取り上げたいと思います。
不具合事例
屋根に設置されたアンテナ、近年はだいぶ少なくなってきましたが、それでもまだありますよね。
このアンテナ、倒れないように針金で4方向へ引っ張って固定しています。
引っ張った針金はどこかに固定するのですが、今回はその固定した箇所の不具合です。
衝撃映像ですよね。^^;
稀なケースですが、放置し続けるとここまでになるんだなぁと私も驚きました。
それでも下地の木は痛んでなかったので発見できて幸いでした。
上の写真ほどではないけれど、例えばこんな感じで、ひび割れが発生しているケースはよくあります。
水による劣化のメカニズム
青い矢印が水の流れです。
屋根(ケラバ)を流れた水がアンテナを支えている針金を伝い破風板部分に流れます。
はじめはひび割れだけだったかもしれませんが、何度も何度も水が流れることにより、徐々に劣化し、ボードが水を吸い始めると劣化は加速してゆきます。
反対側もこのような感じでした。
補修方法
今回は2つのご提案をさせていただきました。
・破風板全体を板金で覆う方法
・痛んでいる板(ボード)を交換し、防水処理を行う方法
今回は後者の痛んでいる板を交換する方法となりました。
通常一枚の板状になっているボードですが、剥がしてみるとボロボロと崩れるような状態でした。
劣化の進行が伺えます。
反対側も剥がしました。
幸い下地の木はきれいな状態でした。
新しく破風板を取り付けました。
再発しないよう私なりに考えて、取り付け位置には予めアスファルト系防水テープを貼り付け、防水処理を強化することでビス周りからの劣化の予防を行いました。
テープを貼り付ける前には、密着を良くするために下塗りも入れています。
取り付け時にはシーリング材で更に防水処理を強化しました。
既存の状態よりはかなり良くなっているのではないかと思います。
塗装後にはアンテナの支持線に伝い水(つたいみず)を拡散させる部材を取り付けました。
伝い水(つたいみず)の実験をしてみました!
線を伝った水が取り付けた部材で拡散されています。
拡散された水が常に当たるところは?と多少の疑問は残りますが、雨量は常に一定ではありませんし、取り付けた際には破風板との間に隙間があるので常に破風板の同じ場所に水が流れることはそれほど無いのではないかと考えました。
なぜこのような現象が起きたのかを考え、再発防止を念頭に補修工事を行いました。
完全ではないかもしれませんが、お客様のご要望の範囲でできる限りのことをさせていただきました。
経過観察は必要ですが、既存の状態よりは良くなっているのではないかと考えます。
アンテナに限らず外壁に留めてある電線等の周りもひびが入ったり、伝い水による被害が出たりすることがあります。
なかなか近くで見ることが難しい箇所ですが、変色などがある場合には雨水による劣化が始まっている可能性がありますので、あれ?もしかして?と不安に感じることがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください♪^^