外壁塗装では直りません!雨漏り補修は入口を塞ぐより、適切な排水処理を!
以前ダイアリーでシーリングの経年劣化による破断から雨水が浸入した例をご紹介しました。
今回はその補修方法の事例をご紹介したいと思います。
(※5月12日付のダイアリー「写真で分かる!外壁塗装、屋根塗装を行うタイミングはいつ?(2)」も合わせてご覧ください。)
天井のシミはどのようにできたのか?
以前のダイアリーでご紹介した、天井にある不自然なシミ。
実はバルコニー裏にもありました。
サイディングの継ぎ目のシーリングが破断していることがわかります。
外壁を剥がしてみると、シーリングの破断箇所から雨水が浸入していることが分かりました。
天井のシミはシーリングの破断箇所から浸入した水が、天井のボードの上に広がり染み出たものと考えられます。
そうだとすれば、シーリングを打ち替えることで雨漏りは止まるはずです。
でもそれだけで本当に大丈夫ですか?
木造建築の防水は1次防水と2次防水と言われるように2段階で成り立っています。
1次防水は屋根であれば屋根瓦や板金、外壁ではモルタルやサイディングなどの外装材、シーリング材といった外部に露出している部分の防水になります。
対して2次防水とは屋根であれば瓦の下に敷き詰めるアスファルトルーフィング、外壁では外装材の下に貼る透湿防水紙のことを指します。
1次防水は露出しているので風雨に曝され、紫外線や振動などあらゆる影響を受け、経年で劣化してゆきます。もし1次防水が劣化し、ひび割れや破断等により雨水が浸入した場合でも、2次防水で雨水を食い止め、雨仕舞(あまじまい)という仕組みにより浸入した雨水を速やかに外部に排出するようになっています。
このように雨仕舞や防水処理がきちんとなされていれば、雨が漏ることはありません。
雨仕舞(あまじまい)という観点から見てみましょう!
写真を詳しく見てみましょう!
1次防水である外装材のサイディング、ジョイントには赤いラインで示した箇所にシーリングが施されており、2次防水である透湿防水紙も入っています。
外壁や天井を剥がす前の状態です。
赤いラインの部分は天井のボードと外装材のサイディングの取り合い部分になります。
この部分、どうしても隙間が出来てしまうので、美観上、シーリングが打たれていることがほとんどです。
今回の現場でもシーリングが施されていました。
上の写真のように天井のボードとサイディングの取り合い部分にシーリングが打たれていると、浸入した水が排出されることが無いので、そのまま天井のボード上に広がってしまうことが考えられます。
『雨仕舞』とは浸入した雨水を速やかに外部に排出する仕組みというお話をさせていただきました。
今回のケースではこの『雨仕舞』が適切に施されていないことがわかります。
このままではいくら破断したシーリングを打ち替えても、そのシーリングが切れてしまえばまた雨水がボード上に溜まってしまいます。
どのように補修したのか
そこで、オーバーハング水切りというものを取り付けることにしました。
青い破線が水の流れになります。
浸入した雨水は2次防水である透湿防水紙の上を流れ、水切りを通って外に排出されることになります。
ちょっと写真が分かりづらいですが、黄色いラインの位置に水切りを設けます。
仕上がりはこんな感じです。
バルコニー側はサイディングの下端に幕板を回すことで水切りの取り付け部分をカバーしました。
これなら見た目もバッチリです!^^
1次防水は劣化し不具合が起こる可能性がありますが、そんな場合でもこのように適切な防水・排水処理がなされていれば被害を食い止めることが出来ます。
私たちはこの『雨仕舞』という仕組みこそが大切だと考えています。
変なシミが出てきて不安!何度直しても雨漏りが止まらない!
このような場合には、どうぞお気軽にリペイント湘南までご連絡ください!^^