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ヴォクシーフリード 様

ご投稿誠にありがとうございます。

ヴォクシー様は、当初、外壁・屋根の塗装と、屋根にソーラーパネルを設置することを並行してご検討されていました。そこで、複数の塗装業者とソーラー設置業者に声をかけ、意見を求めたそうです。その中で最も心に引っかかったのが、あるソーラー業者からの「この化粧スレート瓦材はたいへん割れやすいので、このまま設置すると雨漏りを誘発させるからガルバリウム鋼板でカバーしないと設置できない。」と言われたことだと仰っていました。

そこで、実際に屋根に上ってみましたが、特段割れやすいという印象はありませんでした。この状態で「割れやすい」とするならば、化粧スレート瓦材の上にソーラーを乗せること自体を否定することになります。この業者の目的は、ソーラー設置に加え、屋根修繕も成約したいという営業上の理由だったのかもしれません。

そもそも、化粧スレート瓦材は割れやすい反面、平板なので、焼成瓦などの湾曲している瓦材に比べ設置が容易です。ですから、抱き合わせ的に屋根工事まで契約しようとする業者がいる一方、割れやすかろうがお構いなく設置する業者もたいへん多いのが現状です。

いずれにせよ、屋根本来の性能、ひいては建物の耐久性を維持するところまで業者の説明が及んでいないことに疑念を抱きます。

そもそも私は、カバー工法を行った屋根にソーラーパネルを設置することを推奨していません。

カバー工法は既存の屋根材を撤去せずに新規屋根材を乗せてゆく工法なので、新規屋根材と下地との間に釘やビスが効かない層が残ります。しかも、下地の状態を確認せずにカバーしてゆくので、下地自体が腐朽していて、釘・ビスが留まらなくなっているかもしれません。そんな不安定な状態である屋根の上に、重量があるソーラーパネルを設置すれば、屋根に求められているそもそもの性能を維持できなくなる可能性が高くなってしまうと思うのです。

なお、ソーラーパネルには寿命があり、必ず交換時期を迎えます。その際に容易に対応できるのは、屋根一体型よりも屋根置き型だと考えます。

上記を踏まえ、私が考える、ソーラーパネルを設置するのに最も優れている方法は、立平葺きの屋根の上にキャッチ工法(ホールレス工法)で設置するものです。現在、日本で多く採用されている金属屋根は横葺きですが、つかみ金具で雨水の流れをせき止めてしまうため、より雨漏りしないのは立平葺きです。

業者は、ガルバリウム鋼板等々建材の違いを説明しがちですが、実は大事なのはそこではありません。建物の耐久性にとっては、形状の違いのほうがより重要なのです。

ヴォクシー様とは他にもさまざまなお話をさせていただき、結局外装修繕工事を実施すること自体を考え直すという結論となりました。本件に関し、弊社が利益を得ることはなかったのですが、私は自らなすべき目的は十分に達成できたと考えています。それは、極めて観念的な業者の提案から、依頼者(消費者)を救うことができたという実感があるからです。

弊社の見解、ひいては私の話が、あまねく広まっている改修に対する考えと大きく異なっていることは自認するところです。ヴォクシー様におかれましては、そのような特異な見解を真摯にお受けくださり、お考えを改めてくださりました。

心より厚く御礼を申し上げますとともに、今後とも弊社のことをご記憶に留めていただきますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

リペイント湘南 原田芳一