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『カミフル』カミJun 様

ご評価くださり、誠にありがとうございます。

擁壁への水は「浸出水」です。カミJun様におかれましては、その浸出箇所にシーリング(コーキング)を施しておられました。誠に恐縮ではございますが、率直に申し上げますと、適切とは言えない処理方法であると考えます。それは、出ようとする水を止めてしまうと、擁壁内部に水が滞留することになるからです。

擁壁の目的は、傾斜地などにおいて土砂が流出しないようにする「土留め」です。したがって、擁壁には常に土圧がかかっている状態です。浸出水を止めてしまえば、土圧がさらに増すことになり、自ずと擁壁にかかるストレスも増大します。擁壁には、等間隔に水抜きパイプが設置されていますが、それは減圧するためのものと捉えて問題ないでしょう。

出口はふさいではなりません。このことは雨漏りであっても同様です。建設一般にかかる原則といっても差支えありません。

なお、建築物の維持延命において最も大切なのは、予防を目的とした工事ではありません。また、専門家による調査・診断でもありません。

それは、「経過観察」です。

たとえば、見た目にひどい状況だったとしても、一定期間を経過した後その状況に変化がなければ、なにもしなくてもよいという根拠になります。さらに申し上げれば、その変化を感じることができるのは、我々業者ではありません。他ならぬお住まい手の方です。ですから、建物の情報を最も持っているのは消費者自身であるという事実をしっかりと認識し、業者の話にを鵜呑みにせず、是々非々の判断をしていただきたいのです。

カミJun様におかれましては、私の申し上げる、他業者とは真逆に近い特異な話に対し、真摯に耳を傾けてくださり、誠にありがとうございました。経過観察の重要性について共有のご認識をいただけたことが何よりうれしいです。
擁壁に限らず、お住まいで変化を感じられることがあれば、お気軽にご連絡ください。

今後とも、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

リペイント湘南 原田芳一