【外壁塗装のコツ】実際に塗装する環境にできるだけ近づけて色を選ぶことが重要
原田芳一です。
前回の続きです。
前回の記事はこちらになります。
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色選びには「質感」が大事
弊社では、ご契約にお伺いする際に、塗装色の打ち合わせを併せて行っています。
ご契約前には積極的に行っていません。
その理由は、塗料の違いにより、質感が異なるからです。
だから、塗料を決めるのが先です。
だから、契約後に色の打ち合わせとなるのです。
したがって、塗料を選ぶにあたって、「質感」は大事な要素となります。
色見本板を作成します
外壁と屋根については、カラーサンプルから何色か色を選んでもらいます。
選んでいただいた数色をメーカーに伝え、A4判の色見本板を作成し、お客様宅に直送してもらいます。
色見本板の発注の際に重要なのは、
1.できるだけ既存の模様を再現すること
2.施工する塗装工程と同じ工程で塗装してもらうこと
です。
1.については、下地の凹凸によって色の見え方がかわってしまうからです。平らな板と凹凸のある板とでは、色が違って見えます。ですから、その建物の既存の模様を再現することが重要になるのです。
2.については、いくら既存模様を再現できたとしても、塗り方が違ってしまえば、これも色の見え方が変わってしまいます。例えば、下塗り材の種類によって、同じ色を上塗りしても違って見えるのです。
色を選ぶ際のポイント
契約から少し時間を置いて、お客様の手元に何枚かの見本板が届くこととなります。
その見本板から色を決めてもらうのですが、確認方法にも注意すべき点があります。
それは、必ず屋外で見るということです。
室内と外で、同じ色でも違って見えます。
室内では、総じて赤と黄色が強く、また、外より暗く見えます。
たとえるなら、茶色いサングラスをかけて見ているようなものです。
ですから、外に出れば、赤味・黄色味が消えるため、室内より青っぽく見えます。
また、当然ながら、明るく見えるのです。
もうひとつポイントがあります。
弊社では、塗料を発注するにあたり、必ず見本板のロット番号を使用しています。
見本板には、色の名前・または色を示す記号のほかに、見本板を示す番号が記載されています。
実は、塗料の色は、いくら配合を同じくしても、まったく同じようには作れません。
一度作った色は、厳密には二度と作ることはできないのです。
顔料(色の素のことです)の一粒・一滴や、作製時の温度・湿度などによって変わってしまうからです。
色見本板は、2つの板が一対になっていて、同じロット番号が割り当てられます。
一枚はお客様の手元に届き、もう一枚はメーカーに保管されます。
我々がロット番号で発注すると、メーカーでは、その番号の見本板を出してきて、その板に近づけようと、技術者が色を作ってゆくのです。
ロット番号ではなく、色を識別する記号や色の名称で発注したら、お客様が持っている板の色と異なる要素が増えてしまいます。
ですから、ロット番号で発注するのです。
カラーシミュレーションに比べると、たいへんアナログな方法ですね。
でも、実際に塗装する環境にできるだけ近づけて色をお選びいただくことが、結局のところ、一番正確なのです。