【外壁塗装工事】保証書の中身を公開します

原田芳一です。

前回の続きです。

前回の記事はこちら。

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保証書の中身を公開します!

前回からさらに掘り下げて、具体的なお話をしたいと思います。

弊社の保証書の中身

まずは、弊社でご提出している外壁塗装工事における一般的な保証書の中身をお見せいたします。

(表面)

外装修繕施工保証書

湘南 塗郎 様

  1. 工事件名  貴邸外壁他塗装工事
  2. 工事場所  神奈川県藤沢市○○町○丁目○-○
  3. 工事仕様  外壁及び屋根他塗装
  4. 竣工年月日 ○○○○年○○月○○日
  5. 保証期間(竣工時より)
    ①外壁塗装塗膜の著しい剥離、変色、退色について 5年
    ②屋根塗装塗膜の著しい剥離について 4年
    ※シーリング上の塗膜は除きます。
    ※施工前より剥離していた箇所においては保証の対象外となります。
    ※屋根における変退色(色あせ)は保証の対象外となります。
    ※その他の免責事由につきましては裏面に記載いたしております。

当該工事について、上記保証期間中に本書に定める不具合が発生した際に、本保証書の提示があれば、弊社は当該箇所の無償補修及び第三者に対する賠償の責を負うことといたします。
ただし、上部・および裏面に掲載の各事由により発生した不具合につきましては、期間中であっても保証対象外となりますことをご了承ください。

○○○○年○○月○○日

神奈川県藤沢市湘南台三丁目5-18
株式会社リペイント湘南
代表取締役 原田芳一

(裏面)

[免責事由]

以下の事由により不具合が発生した場合については、保証の適用を除外いたします。

  • 工事完了後における増改築・補修並びに設備機器或いは付属品等の取付による場合。
  • 本修繕工事に因らない建築施工上の欠陥に因る場合。
  • 建物自体の変形や変位等に因る場合。
  • 内部結露による下地材の腐食、経年変化による下地材の反り・くるい等に因る場合。
  • 経年変化による軽度の塗膜白化や軽度の色ムラ及び埃の堆積による水切り部の変色や白化現象。
  • 苔、藻、カビ等の発生による汚れや変色。
  • シーリング上の塗膜における剥離、変色、退色。
  • 天面(空を向いている面)が外壁と同じ仕上げになっている部位における剥離、変色、退色。
  • 施工前から塗膜がはく離していた部位における施工後の再はく離、変色、退色。
  • 保証期間経過後に申し出たもの、又は保証期間内でも初期の不具合をご連絡いただけないまま長期間放置したために生じた拡大損害の場合。
  • お客様の重大な不注意や第三者による破損など、明らかに弊社の責任でない場合。
  • 天災、火災または地盤沈下等の不可抗力による場合。
  • 施工時にお客様から告知されなかった漏水による場合。
  • 施工時に予測が不可能な建築物の劣化による場合。

[著しい剥離・変色・退色の定義]

  • 著しい剥離:およそ半径10cm以上で、かつ、施工箇所に複数見られる場合。
  • 著しい変色・著しい退色: 下記①,②を共に満たす場合。
    ①【(一社)日本塗料工業会 塗料用標準色】基準で、
    ・色相:10度以上
    ・明度:20度以上
    ・彩度:3度以上
    の差異があること。
    ② ①の差異が同一平面上で発生していること。

他社の保証書の中身

弊社の保証書の内容が業界の標準より著しく偏っているのではないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。

そこで、情報の保護を条件に、とある塗装業者様の保証書を手に入れることができましたので、その内容を載せます。

(表面)

工事施工保証書

○○ ○○ 様

この度は弊社へ工事の発注を頂き、誠に有り難う御座います。
本書は記載内容の範囲で、当社の施工上の瑕疵が生じた場合、無料にて補修させて頂くことを御約束するものです。
工事には万全を期しておりますが、万が一保証期間中、施工に関する欠陥が発生した場合は、弊社に補修を御依頼の上、本書をご提示下さい。

工事名  ○○様邸 屋根外壁リフォーム工事

所在地  ○○県○○市○○区○○町○-○-○

施工仕様 屋根:○○ペイント ○○(塗料名) ○○(色名)  

     外壁:○○ペイント ○○(塗料名) ○○(色名)                            

施工面積 屋根: 68平方メートル 外壁:116平方メートル

工事完了日  ○○○○年○○月○○日

瑕疵保証期間      
屋根塗装工事完了日より        5年間
外壁塗装工事完了日より        5年間

○○県○○市○○町○-○-○
○○○○株式会社
代表取締役 ○○ ○○

(裏面)

免責事項

保証期間内でも下記事項は有料補修となる場合があります。

1. 躯体・下地基材の劣化、吸水、吸湿、構造上の動き等による割れ・欠損・変形・塗膜剥離等の損傷など外観変化。

2. 経年劣化による塗膜の白化や錆び、変退色。

3. シーリング部の経年劣化や地震等による割れ・剥離・変退色。

4.   シーリング上の塗膜の割れ・剥離・変色。

5. 防水施工部分位以外からの漏水。

6. 防水材、シーリング材、目地材、下地調整材などに起因する汚染・割れ・剥離等の損傷など外観変化。

7. 下地から発生するサビ、および周辺からのもらいサビによる塗膜の剥離など、外観変化。

8. 自然災害・周辺災害(地震・津波・水害・暴風・豪雨・豪雪・落雷・火事・火山灰・放射線など)による損傷など外観変化。

9. 特殊な周辺環境(常時波しぶきがかかる海岸地域、酸・アルカリ・塩類腐食 性ガスなどの影響を常時受ける地域、直接融雪剤散布の影響を常時受ける地域、温泉源泉近隣地域など)による損傷など外観変化。

10. 飛来物や結露による微生物(カビ・コケ・藻)汚染や、もらいサビ汚染及び構造上に起因する汚染。

11. 動植物・鳥害等に起因する損傷など外観変化。

12.  保証期間内の外観変化のすみやかな連絡がない為に生じた被害拡大。

13.  お客様の増改築に起因する損傷など外観変化。

14.  お客様または、第三者の故意ならびに過失による損傷。

「保証」しなくてもよい保証書

どうだったでしょう。

勘のよい方は、もうお気づきかもしれません。

免責事項を、くまなく、注意深く読み込んでもらえると分かります。

免責となっている項目以外で、保証になるような不良はまず起きないです。

すなわち、業者は(弊社であっても)

「保証書によって保証することはない」

ということなのです。

「ずいぶんとひどい話だ!」

「サギではないのか!」

そう思われ、腹が立った方もいらっしゃるかもしれません。

でも、われわれ業者の視点に立つと、サギとも言えなくなるのです。

続きはこちらです。

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