塗装業者が塗膜を保証するのはナンセンスであると思うワケ

原田芳一です。

前回の続きです。

前回の記事はこちら。

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(本当は)塗膜保証が無理な理由

さて、前回の記事でお伝えした、「保証しなくてよい保証書」について、塗装業者側の立場から考えてみたいと思います。

ひび割れが保証できないことは、前々回の記事で述べたとおりです。

ひび割れに関しては、防ぎようがないですから。

他に起こりそうな塗膜不良って、フクレ、ハガレ、色あせくらいですよね。

フクレ・ハガレについて

まずは、フクレ・ハガレからです。

塗膜がふくれたりはがれたりする原因のほとんどに、水が関係しています。

何らかの原因により外壁の内側に水がたまり、それが気化する際に体積を爆発的に増やし、そのエネルギーで塗膜をふくさせたりはがしてしまうのです。
※水が気化する際には体積は1700倍になるそうです。

そうなると、こんなことが言えます。

水分が外壁の内側から外側に出ようとする際にフクレ・ハガレが起きるのだから、塗膜をきちんとつくってしまえばしまうほどふくれたりはがれたりしてしまう。」

率直に申し上げて、フクレ・ハガレに関しては、手を抜いて、すき間だらけで、塗膜にならないように、うすーく塗ったほうが起こりづらいのです。

この話をしても、なかなか信じてもらえないのですが…

でも、私のブログを読んでくださっている皆さんなら、このことがいかに理に適っているか、ご理解いただけるでしょう。

きちんと塗装したほうが、ふくれたりはがれたりするリスクが高まるのであれば、塗装業者はどうやってそのリスクを回避すればよいのでしょうか?

実は、雨仕舞の知識に基づき、なるべくフクレ・ハガレが起きないような施工を心がけることは可能です。

でも、だからといって、フクレ・ハガレを必ず未然に防げるかといえば、難しいでしょう。

避けることのできない現象に対して保証しなければならないというのは、腑に落ちません。

色あせについて

次に、色あせについてです。

色あせが起こる原因について簡単に説明します。

塗料のうち、塗装すると膜になって残るものは、主に「樹脂」と「顔料」(と「添加剤」)で出来ています。

「樹脂」は、塗る相手にくっついて膜になる役割をもっています。

「顔料」は、色をつける役割です。

したがって、色あせは顔料が何らかの影響を受けることで起こります。

顔料の変化で最も色あせに影響するのが、紫外線によって顔料の結合が破壊されてしまうことです。

「チョーキング」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

塗膜が粉状になる現象です。

塗膜を手でこすると表面に白い粉がつく、あれです。

チョーキングは、塗膜表面の顔料の結合が壊された結果起きる現象なのです。

…果たして、色あせって、塗装業者がミスを犯したり手抜きをしたから起こるものですか?

ほぼ、塗料の性能によるものですよね。

もちろん、きちんと塗らなければ色ムラは起こります。

でも、それは、施工後すぐにわかるはずのものです。

だから、お客様としては、ムラが分かったら、工事代金を払う前に直させればよいのです。

保証で保護される対象である、数年後に発生する不具合とは意味が異なります。

色ムラとは異なり、色あせについては、きちんと塗ったからといって、防ぐことはできません。

塗装業者の力の及ばないところで起こってしまうのです。

しかも、このことをより複雑にさせるのが、同じ性能の塗料を選んだとしても、選んだ色によって色あせまでの期間が変わってしまうということだったります。

塗料の性能によって起こる現象で、しかも、選んだ色によって発生する確率が異なってくるとなれば…

不確実性が高すぎます。

施工する側でコントロールが利かない類の劣化現象です。

ですから、もはや、施工した塗装業者が保証するのはナンセンスであると、私はそう思うのですが、いかがでしょうか。

それでも塗装業者は保証を出す

にもかかわらず、保証を出さない外壁塗装業者のほうが圧倒的に少ないのが現実です。

しかも、競うように長期の保証を謳う業者が増えています。

なぜ、自分たちのミスでもなんでもない、不可抗力によるトラブルに対応しなければならないような保証を、しかも、常識を超えるほどの長さで出すのでしょうか?

…もうお分かりですよね。

保証期間が長ければ長いほど、契約を取りやすいからです!

前回の記事で、お客様に提出する保証書は、「保証」しなくてもよいものになっているとお伝えしました。

保証しなくてもよい内容の保証書なのだから、お客様のウケがいいように、長く出しておこうと思うのは当たり前です。

このように申し上げるのは心苦しいのですが、そうさせてしまうのは、お客様側にも原因があるのです。

次回に続きます…