【完工事例】[20.8.21]平塚市K様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)

物件データ

施工中リポート

2020年8月21日 散水調査

建物外観

雨漏り診断士の資格所持者が、疑わしい箇所に水をかけて漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。

 

調査①

東面1階和室窓上部より、2m散水しました。

2020/8/21 9:10~10:41
窓からの漏水は、再現しませんでした。
床との取り合い部は、赤外線の反応がありました。

 

調査①

1階和室東側の内壁と床との取り合い部を赤外線で撮影しました。
青色の部分が濡れている箇所です。

 

調査①

1階和室東側の内壁と床との取り合い部で、赤外線で反応の出た箇所を水分計で計測したところ、45.1%と表示され濡れていることが確認されました。

 

調査②

東面1階和室上、2階窓下より外壁へ2m散水しました。

2020/8/21 10:50~12:20
窓からの漏水は、再現しませんでした。
床との取り合い部は、赤外線の反応があり、水分計の数値が上昇しました。

 

調査②

1階和室東側の内壁と床の取り合い部で、赤外線で反応の出た箇所を水分計で計測したところ、54.9%と表示され、調査①の数値より上昇してしていることが確認されました。

 

調査③

東面配線引き込み箇所へ散水しました。

2020/8/21 13:25~14:55
漏水再現しませんでした。

 

調査③

散水時には、植込みに水が入らない様に養生を行いました。

 

調査④

東面1階窓上、2階窓上より外壁へ2m散水しました。

2020/8/21 15:00~15:13
漏水再現(約13分)しました。

 

調査④

東面1階和室窓上枠より浸出しました。

 

調査⑤

東面1階和室窓上、笠木下より外壁へ2m散水しました。
※この時、2階窓と植込みに水が入らないように養生を行っています。

2020/8/22 9:12~9:22
漏水再現(約10分)しました。

 

調査

東面1階和室窓上枠より浸出しました。

 

調査⑥

東面1階和室窓上、アルミ笠木へ2m散水しました。
※この時、外壁に水が流れないように養生を行っています。

2020/8/22 10:00~11:30
漏水再現しませんでした。

 

調査⑥

東面1階和室窓上、換気フード下より外壁へ北東角より1m散水しました。
※2階窓へ水が掛からない位置での散水を行っています。

2020/8/22 13:15~14:19
漏水再現(約64分)しました。

 

調査⑥

東面1階窓上枠より浸出しました。
調査④、⑤とは異なる位置より浸出しました。

以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。

 

総合所見

本件雨漏りにおいては、原因となる雨水浸入位置が1箇所であり、雨水浸出位置が1箇所である「単一雨漏り」が2系統あると考えられます。
磁器タイルはALCパネルの表面に張り付けてあるため、下地であるALCパネル自体、またはジョイントの止水措置に不具合があることがうかがえます。
また、基礎においては、和室床よりも高い位置にコンクリートの打ち継ぎ箇所があるため、そこから内部に雨水が浸入したと推測されます。

鉄骨建築物において、外壁がALCパネル下地に磁器タイル仕上げの場合、最終的な止水はALCパネルとなります。
そのALCパネルにひび割れが発生したり、パネル間シーリングが破断した場合には、それらからより雨漏りが発生する可能性が高くなります。
したがって、不具合が発生していると思われる部位のタイルをはがし、2次防水を最適化する必要があります。
あるいは、既存タイル外壁の上にサイディングなどの新規外壁を張り付け、既存外壁に水が浸入しないようにすることで雨水の浸入を防ぐことが考えられます。
また、基礎においては、原則打ち継ぎよりも下方に居室床を設けないような設計・施工としなければならないところ、そのようになっておりません。
ただし、建物がある状態で基礎の打ち継ぎ箇所を変更することは不可能です。
そこで、対策として、雨水浸入位置を止水することとともに、雨水浸入位置近辺の水はけを改善することが求められます。

ありがとうございました。