【完工事例】[21.10.16]茅ヶ崎市A様邸・雨漏り再現調査(担当:能登広)

物件データ

施工中リポート

散水調査

建物外観

雨漏り診断士の資格所持者が、
疑わしい箇所に水をかけて漏水箇所を特定する「散水調査」を行います。

 

調査①

東面2階バルコニー床へ、シャワーヘッドにて散水しました。

2021/10/16 9:20~10:50
漏水再現しませんでした。

 

調査②

東面バルコニー床、天窓へシャワーヘッドにて散水しました。

2021/10/16 10:50~11:34
漏水再現(約44分) しました。

 

調査②

1階台所天窓木製枠、北東角に浸出しました。

浸出箇所を赤外線で撮影しました。
赤丸の部分が濡れている箇所です。
(※滴下せず、湿っている様子が確認されました。)

 

調査③

東面2階バルコニー木製格子下端部分へ、シャワーヘッドにて散水しました。

2021/10/16 13:00~14:24
漏水再現(約84分) しました。

 

調査③

1階台所、東側天井より浸出しました。
(※滴下現象あり)
浸出箇所を赤外線で撮影しました。
赤丸の部分が濡れている箇所です。

 

調査④

東面2階バルコニー霧除けへ、シャワーヘッドにて散水しました。

2021/10/23 9:10~10:40
漏水再現しませんでした。

 

調査⑤

東面2階バルコニー東側壁天端部分へ、約1.5m幅で散水しました。

2021/11/8 10:58~12:30
漏水再現しませんでした。

以上、散水調査の結果、漏水箇所を特定しました。

 

総合所見

雨水浸入位置および浸出位置について

  • 東面2階バルコニー木製格子下端と外壁との取り合い浸入し、1階台所東側天井へ浸出しています。
  • 東面2階バルコニー天窓のアルミ枠などより浸入し、1階台所天窓木製枠へ浸出しています。

 

雨漏りの原因について

東面2階バルコニー木製格子下端と外壁との取り合いから雨水が浸入し雨漏りが発生しています。
また、東面2階バルコニー天窓のアルミ枠などの取り合いなどより雨水が浸入し雨漏りが発生しています。
該雨漏りは、それぞれ原因となる雨水浸入位置が一箇所であり、雨水浸出位置が一箇所である「単一雨漏り」です。
東面2階バルコニー木製格子部分の雨漏りは、木製格子下端と外壁との取り合い部において防水処理が施されていないことや、木製格子を固定するためのビスなどが内部防水シートなど貫通し、2次防水を突破して浸入していることがうかがえます。
また、東面2階バルコニー天窓の雨漏りは経年劣化により、アルミ枠の組み付け部分やガラスとの取り合い部分などに隙間ができてしまい、雨水が浸入していることもうかがえます。

 

改修設計について

木造建築物において、最終的な止水は外壁内部の防水シート(アスファルトフェルト等)です。
外装材(塗膜やモルタル・外装パネルなど)を1次防水と呼ぶのに対し、この防水は2次防水と呼ばれています。
根本的に理に適った状態とするためには、2次防水の最適化を図ることが必須です。
木製格子下端と外壁との取り合いからの雨水浸入においては、木製格子を撤去し、不具合が発生していると思われる部位の外壁をはがし、2次防水の最適化を行い、アルミ笠木などを取り付け、2次防水に直接雨が掛からない状態を作る必要があります。
また、東面2階バルコニー天窓においてはアルミ枠などの隙間をシーリングにて埋めてゆけば止水することは可能かと思われますが、シーリングが劣化してくればいずれ再発します。
さらなる延命を望まれるには、メーカーによるオーバーホールなどの措置が求められます。