屋根の重ね葺き(カバー工法)をおすすめしない理由
X(ツイッター)を更新しました。
屋根の改修方法として広く知られている「重ね葺き(カバー工法)」ですが、弊社では推奨しておりません。既存の屋根を覆うことで雨水の浸入を防げたとしても、建物内部から上昇する湿気の出口をふさぎ、屋根下地の腐朽を招く可能性があるためです。
屋根下地の腐朽は雨漏りだけが原因ではありません
屋根下地が腐朽していると、雨漏りが原因だと考えられがちです。しかし、屋根下地を傷める水分は、屋外から浸入する雨水だけではなく、室内から上昇した湿気が結露したものでもあり得ます。
特に防湿気密層のない建物では、生活によって発生した暖かく湿った空気が上昇します。内装側の建材は、ビニルクロスを除けば原則として透湿抵抗値が小さく、ビニルクロスも継ぎ目などから湿気を通します。その湿気は屋根面まで到達し、透湿抵抗値が極めて高い(改質)アスファルトルーフィングの裏側で結露することがあります。
結露水が屋根の勾配に沿って流下すれば、軒先などを濡らし、腐朽させるメカニズムが成立し得ます。したがって、屋根の不具合を検討する際には、雨仕舞だけでなく、室内からの湿気の動きも考える必要があります。
新築時の下葺きは湿気を逃がす余地があります
新築時の下葺き材は、屋根の下側から横方向に張り、上下を100ミリ程度重ねて施工します。雨水は原則として下から上へ移動しないため、適切な重なりがあれば、重なり部分を全面的にテープで密閉しなくても雨水の浸入を防ぐことができます。
また、下葺き材はタッカーというホチキスのような工具を使い、ステープルで点留めします。シートの重なり部分を密閉せず、全面接着ではなく点留めすることで、内部の湿気が逃げることも期待できます。
重ね葺きは室内の湿気を閉じ込める可能性があります
一方、重ね葺きで使われる粘着層付アスファルトルーフィングは、既存屋根材の表面に張ります。既存屋根材にはステープルが刺さらないため、裏面に設けられた粘着層、分かりやすくいえば「糊」によって、面で接着する施工になります。
このようにルーフィングをべったりと接着すると、室内側から上昇してきた湿気を逃がす効果は期待しにくくなります。雨漏りを防いだとしても、室内からの湿気によって屋根下地を腐らせるリスクは、かえって増加する可能性があります。
屋根改修は、既存屋根の上を覆えば終わりではありません。建物の構造や防湿・気密の状態、湿気の排出経路まで確認したうえで、長期的に屋根下地を守れる工法を選ぶことが重要です。これが、弊社が重ね葺き(カバー工法)をおすすめしない理由のひとつです。
Xでも、外装修繕や雨漏り、雨仕舞について情報を発信しています。ぜひリペイント湘南のXアカウントをご覧ください。
Xの投稿を表示する




